「2000年の春から夏にかけて、どこがどうとは言えないのですが胃腸に違和感があり、近くの内科に行って胃腸薬を飲んでいました。お通じは不規則でしたが、いつもと同じでしたので特に気に留めておりませんでした。下痢、便秘、腹痛などの強い症状は特になかったように思います。お腹がしくしく痛むとか、お腹が張るとか、そういう状況ではありませんでした。
何となく胃腸の違和感が改善されませんでしたので、別の病院を受診し、やはり胃腸薬をいただいて飲んでいましたが、よくなりませんでした。
その年の12月に大きな病院に行き、先生との問診でたいしたことはなさそうでしたが、『念のため大腸内視鏡検査をしてみましょうか』と言われ、軽い気持ちで検査してもらいました。その時に大きくなった腫瘍が見つかりました。
思いがけない結果はまさに晴天の霹靂で、頭の中が凍りついてしまいました。がんといえばテレビの中の出来事で、自分の身に起こるとは想像もしたことがなく、まさかという気持ちで実感できませんでした。」
「参考にできる情報は今ほど豊富ではなく限られていましたが、大腸(直腸)がんのことを本やインターネットで調べあさりました。方針が決まっていないときは不安と恐怖心が入り交じって苦しかったです。また、どちらの病院で手術をお願いしたらよいか心配でしたが、幸いにも知り合いのお医者様にご相談できて、現在お世話になっておりますお医者様をご紹介していただき、とても心強く思いました。
手術してくださる先生も決まって『このような方針で進んでいきます』と治療方針を掲示していただいたときには、自分も家族も気持ちが決まりました。こちらの先生にすべてを託し、突き進むのみと覚悟をしました。」
「手術については、家族揃って先生のお話を伺いました。肝臓にもうっすら影があるようで、場所は血管に近いけれども、『開けてみないとはっきりがんかどうかはわからない』とおっしゃっていました。」