「手術室に入るためのストレッチャーに乗った時、家族の顔を見て、このまま目が覚めず二度と家族の顔を見られなくなるかもしれない・・・という恐怖心と、先生方にお任せすれば大丈夫という両方の気持ちが交錯していました。手術台に乗って背中を丸くして（全身）麻酔をする時、すべてを神に託すような不思議な気持ちになりました。

手術時間は8時間ほどに及び、10センチくらいの直腸と肝臓の一部を切除していただきました。なお、腫瘍があった場所が直腸の肛門に近い場所であったので、人工肛門になる可能性があるとのことで心配しましたが、先生のお力によりこれを避けることができました。」

「目が覚めた時には、お腹のあまりの痛さに、うなり声を上げていました。早く痛みから解放されたいと願いました。また手術が無事に終わって、安心できましたので、これからは先生方にお任せするだけではなく、自分自身も回復に向けて頑張らなくては、と思いました。

手術後は、『早く立ったほうが治りが早いので、立ちなさい』と先生からご指示があり、痛みで悲鳴をあげながら立ち上がる状態でした。いろんな管もつけていますし、多分お腹の傷が痛かったのだと思うのですが、本当にあの痛みはすごかったです。でも私だけではなく、本当に大きな男性の方もワンワンワンワン騒いでいらしたので、『ああ、私だけじゃないんだ』と思いました。」