がんと向き合う

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海老造さん
(えびぞう)
(ニックネーム)
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1933年東京生まれ。伝統工芸職人。2001年に血便があり、かかりつけ医を受診、直腸がんを疑われる。紹介先の大学病院で直腸がんと診断され、直腸がん切除術を受け、人工肛門を造設。術後の抗がん剤治療はなし。退院後、人工肛門によるトラブルを数多く経験するものの、現在は食事や行動を調節して充実した毎日を送る。手術の後遺症、再発、転移はなし。趣味は歌舞伎鑑賞、中国の占いなど。
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440日間の入院生活

「結構、病院生活は快適だったものですから、40日ぐらいいたような気がします。人工肛門からどのように排便処理するかというのを、先生方と看護師さんがよく教えてくださいました。ですから、退院して家に戻ったときはもう人工肛門を交換する用具の使い方や、交換する際のトラブルというものを、ほとんど克服していました。

それで大学病院の看護師さんがたいへん親切で、美人な方が多く、たいへん懇切に指導していただきました。ですから病院生活は天国ではなかったですが、地獄ではなかった。

それとその大学病院にストーマ(人工肛門)の先生がいらして、週に1回ぐらい東京においでになったのですが、その権威の先生とたいへん親しくなりましたので、その方がいろいろ教えてくださり、それはもうたいへんありがたかったです。『トラブルがあったときには、自分のところに電話をくれれば、いつでもちゃんとそれなりに私の手で対応してあげられるかもわからない』と言って、いろいろなサポートをしてくださったので、その点ではたいへん安心感がありました。

手術が終わっていきなり歩いて、『早く自宅に帰りなさい』と放り出されたら、もう高齢者はどういうふうにそのあと生活していけばいいかわからないじゃないですか。だからその点はたいへん助かりました。」

●自然排便か洗腸方式か

「手術をしてくださった大学の先生が、『洗腸方式も覚えておいたほうがいいですよ』と言われて、ちゃんと指導を受けたのです。指導を受けた結果、1時間半とか2時間かけて洗腸作業をするのはたいへんで、苦手なところがありますので、それでまあ自然に任せるほうがいいかなと思いました。それ以来、私はもうずっと自然排便で生活しています。」