「たとえばリンパ浮腫になるとか、セックスに問題が起こるとか、そういうことは医療者の口からも充分に聞ける話なのです。ただ実際、それをいかに生活に取り入れるかというと、それはやはり医療者の方たちも自分が体験していないのでほとんどわからない世界なのですね。たとえばセックスの問題だと、どういった体位でやるのだとか、どういったものを使ったらいいのかとか、そんなことは先生たちには計り知れない世界なわけです。そこを埋めていくのはやはり患者会であったり、同じ病気をした先輩であったりとなると思うのです。やはり医療の分野に患者会が入っていないというのがあり、(お互いが)今すごく隔離された世界で、患者会は患者会、医療者は医療者、社会的・経済的に困ればまた別のところ、というように非常に分散されている印象があります。それがトータルコーディネートされてひとつのケアというところに向かっていけばいいなと思っています。そこは私自身がいちばん困ったところでもあったので、それを実現するためにオレンジティを立ち上げて活動しています。」
「オレンジティはもともと患者さんのサポートから始まりました。サポートをしているとだんだん亡くなってくる方が出てきて、『もしかしたらこの人は検診をもっと早くに受けていれば助かったかもしれない』と思うこともありました。特に若い方にそういう方が多かったのです。それを考えるとやはり病気にならない、予防するということも非常に大切だなと思うようになり、ここ4年ぐらいの間に、『検診を受けよう!』というキャンペーンを地元の静岡で行うようになりました。
ティール&ホワイトリボン (子宮頸がん啓発活動の シンボルマーク) |
(キャンペーンの内容は)検診(の啓発)と、患者さんのサポート、それと就労の機会を与えようということ。今度ワクチンが認証されるのが目前に控えていますが、そのワクチンは非常に高い効果が海外でも認められています。12〜13歳の子供たちに打つことになるのですが、正しい性教育と、病気に対する正しい理解をしてもらいたいということ、ワクチンを誰でも平等に打てるようにしてほしいということを訴えています。そして子宮頸がんをたくさんの方に知っていただくということ、この5つの柱で今活動しています。」