統合失調症と向き合う

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中田さん
中田さん
(仮名)
1975年生まれ(現在33歳)。20歳のときに幻聴、奇妙な行動が始まり、緊急受診。初診日から5年間に4回の入院、5年〜10年目に3回の入院、30歳を超えてからの3年間は1回の入院歴がある。現在、週1回作業所で就労移行支援プログラムを受け、週2回クラブハウス「ForUsフォーラス」に通い、週2日、事務の仕事についている。クラブハウスではファシリテーターとして活動。
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2受診までの経緯
●ペンキをかぶって徘徊

「今から14年前の1995年の春でした。20歳の誕生日の月でした。当時、地下鉄サリン事件とかがあった年で、僕は、その当時テレビが家になかったもので、ラジオで生活していたんですね。最初幻聴から始まり、ラジオの音が何か自分に向けられているメッセージだと感じるようになってきました。そのうち食欲も落ちて、幻聴も何かひどくなってきて。ある日、耳の奥の方、頭の中に声らしきものが聞こえて、『ペンキをかぶってサリンから逃れろ』っていうような、今では全然科学的根拠もない幻聴が聞こえて、頭からザブって(ペンキを)かぶって、そのまま部屋を飛び出して、町を歩いていたんですね。

自分は、山岳部(定時制高校)だったんですね。で、そのとき、テントに塗る防水のペンキを使ってしまったんです。なぜあのときペンキをかぶったのか、もう14年前の話で細かいことまで覚えていないです、正直なところ。でもなんかその液をかぶればサリン、毒ガスから逃れられるっていう妄想みたいなのが頭の中を巡ったんです。で、その妄想のまんまにペンキをかぶってしまったのが、実際です。」

●救急車で病院へ

「そのとき、ペンキをかぶって町を徘徊していると、誰かが警察のほうに電話をしてくれたらしいんですね。それが消防隊にも連絡が回っていて、僕が家でもう半狂乱になっているときに消防の救急の人と、家族が来てくれて、救急隊の方が、すぐ入院したほうがいいと家族に告げて、で、その救急隊の人が僕をストレッチャーに乗せて、病院に連れていってくれました。」

●発症前の生活

「生活に疲れていました。朝が6時起きで、夜は12時過ぎまで仕事以外に何かちょっと活動していて、帰るのが(午前)1時とか、朝起きるのが5時とか6時。仕事は肉体労働系の仕事だったので、体重がすごく落ちて、ご飯食べられない。たぶんその半年とか1年ぐらい前から始まっていまして、それが重なって最終的に病気になったと思うんですけど。」

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