統合失調症と向き合う

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米島健二さん
米島 健二さん
(よねしま・けんじ)
48歳。32歳のときに統合失調症と診断。現在、精神障害者のセルフヘルプ・グループ「NPO法人Wendy(ウエンディ)21」の所長として活躍。10年前に障害者小規模共同作業所として北九州市の認可を受け、2008年4月からは地域活動支援センターウエンディ本部として動いている。妻、娘(5歳)、妻の母親と4人暮らし。
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8結婚するということ

「(Wendy21)設立当時から妻はグループにいたんですけども、ずっと長く同じ職場でやっていて、2年間ぐらい恋愛期間があって、結婚するんですけども。まあ妻の母も同じ統合失調症ということで、親戚の中で反対意見というのはほとんど出なかったです。で、僕もう40(歳)すぎて自立していましたから、親も別に好きにすればみたないな感じで、結婚することは障害がなかったんですけども、結婚生活が最初の2年間ぐらいは、それまで好きでつきあっていてもいざ一緒に住むとなると考え方とか価値観の相違とかいろいろあるし。またお互い症状が出ることがあるから、そのときは激しくやっぱりぶつかりあったりしていたんで、とことん納得いくまで寝ないで話をしたりして。で、やっと分かり合えたなというころに娘が授かりました。

(娘が統合失調症に)かかったとしても今は早い段階で治療できますから。まして僕とか妻は経験者だから娘の異常に早く気づくと思うんですよね。だから今はそんなに心配していないし、むしろ病気になったらそれを超える力を身につけてほしいなと思っています。案ずるより産むが易しということで。」

●妊娠中の妻の服薬

「産婦人科の先生と精神科の院長とが話し合って、最低限これだけは飲みましょうという薬がドグマチール2錠だったんですよ。それでも心配だったんですよ。だからこっそり1錠にしたんですよ。でも、それでもちました。」

ドグマチール(スルピリド):非定型抗精神病薬

●父への娘の思い

「僕が家に帰るといつも横になるんですよね、きついから。横になっていると、娘がですね、襖(ふすま)の影から、こうやって、踊りながら出てくるんですよ。で、笑うんですけども。でも何回も何回もするんですよ。なんで同じことを何回もするんねん?って聞いたら、父ちゃんを笑わしたいからと言ってくれるんですよ。僕も娘が小さいときに2歳とか1歳のころ笑いだすじゃないですか、なんか面白いことしたら。一生懸命笑わそうとしてた同じことを娘が僕にしてくれるから、やっぱ父ちゃん病気なんだと思ってるのかなっと思って。そういう話はありますね。うれしいです、はい。」

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