統合失調症と向き合う

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米島健二さん
米島 健二さん
(よねしま・けんじ)
48歳。32歳のときに統合失調症と診断。現在、精神障害者のセルフヘルプ・グループ「NPO法人Wendy(ウエンディ)21」の所長として活躍。10年前に障害者小規模共同作業所として北九州市の認可を受け、2008年4月からは地域活動支援センターウエンディ本部として動いている。妻、娘(5歳)、妻の母親と4人暮らし。
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13ご家族へのメッセージ

「うちの母親の話をしますと、正直言ってつきっきりだったんですよ、僕がひどいときは。で、本人ももうノイローゼ状態になりました。だけどそれから立ち直るために、やっぱ自分で趣味を探してきました。踊りが好きだったんで、舞踊することによって、自分の生きがいみたいなものが生まれて。あとはもういい年超えた大人じゃないですか、だから、本人まかせというのか。先のことをみなさん家族は心配されるんだけれども、やっぱりなるようにしかならないし、なるようになるもんなんですねわりとね。

そりゃあ一般のサラリーマンのような生活とかは送られないかもしれないけども、それだけが幸せかというとそうじゃないですよね。障害があっても障害があるなりの幸せな家庭が作れるし、また一人暮らしであってもハイアーセルフとのつながりを持てば全然淋しくないし、あの自信を持って生きていけると思うんですよね。だから、家族は総パニックになったりする場合もあると思うんですけども、客観的に1歩引いて、本人の自主性、自立を支援するということなんです。

本人がやりたいということは極力反対せずにやらせてみせて。あきらかに失敗するとわかっていてもいいんですよ。失敗してやっぱ駄目だったなということで学ぶことがあるので。面接行ったって落ちるだけよ、と言うんじゃなくて、面接行って落ちましたと、それで今度はもうちょっとランクを落としてみようかとか、いろんな対処があると思うんですよね。

本人に頭ごなしに無理ですと言う。そりゃお医者さんはそう言うしかないですよね、それで無理されて体調壊したらお医者さんの責任になるから。でも家族はもうちょっとお医者さんより柔らかく本人を信じて、そうむちゃなこと言ったらとめきゃいけないけども、就職活動とか、セルフヘルプ・グループの活動とか当事者活動とか恋愛とかね、そういうものは積極的にどんどんやらせないと。いくら生まれ変わりを信じると言ったって今世楽しくないと良い来世を迎えられないから、やっぱり充実した人生を今、過ごしてもらうために、ちょっと離れてもらうことも必要なんです。子どもとしては正直言ってうっとうしいんですよ。親にあんまりせがまれると。」

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