統合失調症と向き合う

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藤崎伸一さん
藤さき伸一さん
(ふじさき しんいち)
昭和23(1948年)年生まれ、現在62歳。一人暮らし。入院は8回。長年にわたり辛い体験をし、「自分が最期を迎える場所は老人病棟かも」と思っていたそうだが、社会資源を利用することで今は仲間もでき、日本各地を旅行するほど、毎日を楽しく送っているという。
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3治療について

「そのあと広間、閉鎖病棟に連れて行かれました。『自分はなんでこんなところに閉じ込められたんだろう』って、そういうことばかり思っていました。

大部屋には2〜3日したら連れて行かれました。その時、先生に、『何日ぐらいここにいなくちゃいけないんですか』と聞いても、先生は何にも答えてくれないんです。『どこが悪いんですか』って言っても、先生は絶対一言もしゃべらないんです。で、自分もカッとなって先生に『貴様ぶっ殺してやる』って言ったんですよ。そしたら、先生がキっとした顔をして、さっと診察室を出て行ったら、看護師が2、3人来て、(私は)部屋に連れて行かれました。で、『ここに休んでください』って言われて、電気ショック(電気けいれん療法)をされましてね。何をされたか全然自分は覚えていなかったんですけど、何時間かして気がついた時に部屋の人が、『あなたは今、電気ショック(電気けいれん療法)をされたんだよ』と言いました。(それは)患者さんです。

部屋は、広い部屋でしたから、『ここに寝てください』って言われて、そこで。電気ショック(電気けいれん療法)をしたあと、ちょっとむかむかして、ものすごく吐き気を催したんですよ。で、部屋の人に『暴れるとまたされるよぉ』って言われました。もう、暴れませんでしたね。何も言いません。

薬は吐き出していました、私は。トイレとか洗面所に全部吐き出していました。自分は悪くないと思って。先生も何にも答えてくれないから。(医療者が)見ているところでは(薬を)くわえる、口の中に入れるけれど、そのまま飲み込まずに、洗面所とかトイレに行って、全部吐き出していました。

(病院には)1年いました。措置入院でしたので。

自分としては、(症状は)変わらないと思うんですけど。薬は飲まなくても眠れるし、先生にもう食って掛かったりしないし…。ただ、先生に、『どのぐらい入院が必要ですか』と聞いても、なんにも答えてくれないので、ただ、怒って電気ショック(電気けいれん療法)をしたとしか思えないんですよ。(私が)『先生ぶっ殺してやる』と言ったから。

電気けいれん療法:一般に電気ショック療法とも言われる。薬の無い時代の暗いイメージがあるが、現在は、厳格な監視下で安全な方法で行われており、けいれんの起こらない方法(修正型電気けいれん療法)が主流である。うつ病、躁病、統合失調症の急性期などに有効である。
措置入院:すぐに入院させなければ、精神障害のために自身を傷つけ、または他人を害するおそれがあると精神保健指定医2名が判断した場合、都道府県知事または政令指定都市市長の命令により、入院させることができる精神保健福祉法によって定められた制度。措置入院ができる病院は、「国立病院」、「都道府県立病院」または「指定病院」である必要がある。
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