統合失調症と向き合う

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和田千珠子さん
和田千珠子さん
(わだ ちずこ)
1967年生まれ、44歳。大学4年生になる春に幻覚が生じて精神科を受診。同じく精神疾患をもつ夫、今年5歳になる娘との3人暮らし。出産後2年3か月、娘を乳児院に預ける。ある医師との出会いから精神障害をもっていることをオープンにして生きることを決意。現在は、当事者活動(講演)や手芸を楽しみ、地域の支援拠点を活用しながら子育てにも奮闘中である。
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2精神科受診〜治療
Q.精神科を受診するまでの経緯は?

「大学4年に上がる春です。ある日、起きたら、突然、自分の枕元にある本棚の背表紙の文字に襲われるという幻覚を見ました。それでうちの一番上の兄、私2人兄がいるんですけど、9つ上の兄が様子を見に来て、これは間違いなく精神のほうの問題だろうから(病院に)連れて行けと、母に言ったみたいです。

その時、どこに行っていいか分からなかったので、私の内科の主治医の先生に一応相談しましたら、内科の先生は、『精神科を勧めたくない』と言っていたんですけど、その内科の先生にかかっている方で精神科のほうを受けていらっしゃる方がいて、その方が行っている病院を紹介されました。

なにぶん、自分がいったいどうなっているのか分からなかったので…。ま、最初カウンセリングということで女性のスタッフさんみたいな方とお話したんだけど、なんか自分が狙われている感じがするとかそういう取り留めのない話をしたら、母のほうには話がすぐいったみたいで、結局『精神分裂(病)(現在の統合失調症)』と言われたようですけど、その当時は私のほうは聞かされてなくって病名もなんにも。だから何が起きたのか自分でも分からなくって…。」

Q.どのような治療を受けましたか

「薬物療法と言うんですか。薬ですね。ただ、行くたび毎に(医師から)『どうでしたか』と聞かれて、例えば、『眠かった』とか言うと薬を取り替えられてしまって、1週間毎に行っているのに薬を取っ替えひっかえだったんですよ。で、自分の中で信じられなくてドクターが。私が一言言ったことに、『じゃあこれ止めてこっちにしましょう』という感じになってしまうので、『ええ?』という思いが大きくって。

そのあと、私の頭の中に何かができたりしたから具合いが悪くなったんじゃないかと、だれともなくそんな話になって、それで脳外科行ったんですよ。母の弟、つまり私の叔父さんのお友達に脳外科をやっている方がいて、そこの病院に行ったら、結局CTを撮ったりレントゲンを撮ったりしたんですけど、そっちのほうで異常がなかったので、『やはりこれは精神科だと思う』と言われて、その病院長の先生に精神科のドクターを薦められて、そこで初めて私がかなり長くかかる先生を紹介してもらって…。(初めの精神科医とは)違うんですよ。

やはり薬物療法ですね。あとはまったく何もなかったです。それが、20年ぐらい前のことなので、その当時どんな薬を飲んでいたのかまったく憶えていなくて。」

Q.現在通院中の病院はいくつ目ですか

「かかっていた病院としては3つ目ですね。あれ4軒目だ(正確には5軒目)。

そうですねえ。1か月に1回しか会わないので、なんとも言えないんですけど、今の先生は、それこそ矢継ぎ早やに『これはどう?これはどう?これはどう?』って感じに言ってくれるので、こちらもこう返すと『ああ、そうなんだね』という感じで(薬を)変えてくれて。(コミュニケーションは)取れますね。はい。」

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