統合失調症と向き合う

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和田千珠子さん
和田千珠子さん
(わだ ちずこ)
1967年生まれ、44歳。大学4年生になる春に幻覚が生じて精神科を受診。同じく精神疾患をもつ夫、今年5歳になる娘との3人暮らし。出産後2年3か月、娘を乳児院に預ける。ある医師との出会いから精神障害をもっていることをオープンにして生きることを決意。現在は、当事者活動(講演)や手芸を楽しみ、地域の支援拠点を活用しながら子育てにも奮闘中である。
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8再入院について
Q.2回目の入院について教えてください

「ちょうど2006年の7月に、私がとっつかまるっという形で入院させられているんですよ。母と兄によって。

結局、あの頃、私、駆け落ち同然で家を飛び出して、彼の家に転がり込んで、お腹に赤ちゃんがいるというのにあの頃、どうしたんだか私もよく分からないんですけど、雨の降る中、1人で傘も差さずに出て行っちゃったりということがあったりして。また、これはたぶん万歩計の間違いだと思うんですけど、1日のうちに42キロ歩いちゃったというの(数字)が出ちゃって。その話を母にしたら、『あなた、お腹に赤ちゃんがいるのに何を考えているの』と怒られちゃって。で、ある日、旦那さんが、具合が悪いから1人で(病院に)行ってと言われて、1人で行ったら、そこに兄と母が待ち構えていて、とっつかまっちゃったんですよ。それでいわゆる措置入院と言うんですか。保護室に入れられちゃうし。

その入院させられた日に、彼のところにうちの一番上の兄貴から電話がいって、『千珠子は入院させた、ざまあみろ』みたいに言われたんですよ。それでうちの旦那さんびっくりしちゃって、慌てて病院に電話して、『明日、僕が面会に行くということができますか』と聞いたら、できると言われたんで、翌日、来たんですよ。

その当時は、私が保護室に入っていたので、週に3回、1回10分、見張りつきみたいな面会で。(入院は)3か月ですね。(お腹は)徐々に大きくなってきましたね。10月頭なんですよ、退院したのは。それでお腹も大きいし、予定日もすでに決まっていますよね。だからすぐに入籍しなきゃという話になって、10月19日に入籍して…。」

措置入院:すぐに入院させなければ、精神障害のために自身を傷つけ、または他人を害するおそれがあると精神保健指定医2名が判断した場合、都道府県知事または政令指定都市市長の命令により、入院させることができる制度。精神保健福祉法によって定められた。措置入院ができる病院は、「国立病院」、「都道府県立病院」または「指定病院」である必要がある。
Q.3回目の入院は?

「10月に退院したあと、12月の、当時、出産予定日は1月2日だったんですね。それで『あなたは、ホルモンのバランスが変化したりして薬が変わったりする可能性があるから、出産の前後2週間入院しなさい』と精神科のドクターに言われていて、それで12月14日に入院しているんですよ。

その前にちょっといざこざがありまして…。私がまた入院するということで、彼がドクターのところに電話をしたら、立ち会い出産はあきらめてくれと言うんですよ。ま、私は女の戦場に男は入るなっていう意見があったし、彼も隣の部屋で待っていたいというから。ただ(その)病院では隣の部屋で待つことも立ち会いという言い方をするんですね。

その“パパママ教室”と言われる新米父母の教室に全回出てないとダメとかっていう決まりがあって、彼もちゃんとそれをクリアしていたのに、『いやあ、あなたがもし隣の部屋で出産の緊張感やなんかで暴れられたりすると人数さけないから来ないで』という言われ方をして、それで彼も私も怒っちゃって…。私が入院の予定日が12月13日だったんですよ。それが、彼が怒ったことで1日延ばしたんですよ。そしてドクターが、その時慌てて、女医さんだったんですけど、『血圧も高くなっていくから早く早く入院させて〜』という感じでガチャって彼(電話を)切っちゃったんで。ま、彼も怒ってはいたんですけど、1日延ばした程度であとはもうそんなに延ばす気がなくって。それで14日に入院したら、翌日の早朝に破水しまして…。」

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