統合失調症と向き合う

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石山勲さん
石山 勲さん
(いしやま いさお)
1958年(昭和33年)生まれ、56歳(収録時)。システムエンジニアとして働いていた29歳の時に症状が出て、内科を受診し、その後、精神科を受診する。会社は退職。物を書くことが好きで、保護室に入院した時の体験を記した本を発行。現在は、精神科医療施設の研究の手伝いや当事者として講演活動に携わっている。当事者自助グループも運営中。母親と同居。第2回精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)を受賞。著書に、『幽閉』(萌文社)『精神保健・医療・福祉の正しい理解のために』(萌文社など)がある。
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7症状の安定について
Q.現在飲んでいる薬を教えてください

「何剤というか半端ではないぐらい飲んでいます。

基本的な薬は3錠しかないのですけれども、今睡眠が不安定で、そのお薬がかなり出ていますね。先生と信頼関係があって、今では自分で加減してもいいと。寝すぎてしまうような時には減らしていいし、眠れなければ増やせばいいと。

診察は、月に1回ですけれども、その時その時に先生に言って、この薬を増やしてくださいとか、この薬を減らしてくださいとか、そうやって、今のところ、治療している最中なのですが。精神症状だけは治まっているのですけども、睡眠に関してはまだ不安定ですね。

ニューレプチル、アーテン、ピーゼットシーの3つが基本薬で、あと、頓服(とんぷく)でデパスをもらっています。睡眠が落ち着いている時は、3錠だけで済むのです。副作用止めも出ています。アーテン1錠。

それは、先生がいじらないでくれと。睡眠薬に限ってはいじっていいけど。だからこれがあなたの基本薬ですよと言われましたね。」

ニューレプチル(プロペリシアジン):抗精神病薬
ピーゼットシー(ペルフェナジン):抗精神病薬
アーテン(トリヘキシフェニジル塩酸塩):抗パーキンソン病薬
デパス(エチゾラム):抗不安薬

Q.薬の効果はいかがですか

「僕は、要は今のところメインとしては、講演の時にちゃんと行けて、要は睡眠さえ落ち着けば、精神症状は出ないし。あと、例えば緊張しがちな時はデパスを飲んでいれば落ち着きますし。だから、若干薬を溜め過ぎみたいな感じです。(薬を)若干多めに持っていると安心じゃないですか。

だから基本薬は変わらないのですけども、睡眠薬の増減があって、それによって薬が残っていると……。」

Q.症状が悪化しないように日常生活で気をつけていることはありますか

「あります。睡眠ですね。やっぱり僕が入院したのは、不眠と過労とストレス、その3つだと思うので、その3つさえ安定していれば、再発はしないだろうというのもあります。

もう約20年以上この病気とつき合っているわけですけども、(精神科は)最初の入院だけで済んでいるので、その判断は間違っていないと思いますね。」

Q.食事で気をつけていることはありますか

「生活習慣病、最近、あると思います。体重が増え始めました。いや、あんまり検査が好きではないので…。(体重が)増えたなと思って、ただ増えたら食べるのを減らすとかね。まだ医師のところまでは行っていないです。(運動は)家族にやれと言われています。」

Q.血液検査は?

「うちの主治医は、なぜか知らないのですけど、僕の場合、血液検査を1つもしてくれないのですよ。だから、要は、ちゃんと薬を飲んでいるので、血液中の薬の成分を測る必要がないのではないですかね。」

Q.現在、通院している医療施設はどこですか

「精神科単科病院。入院したところではないです。

さすがに、あの病院のひどさと入院のさせ方に疑問を持ったので、自分で病院を探して、自分で診断書と薬を持って、『こうこうこういう病気で、こういう薬を飲んでいるのですけども、ここに通えませんか』ということで、自分で変えました。最初は病院のほうも戸惑って、『何で(病院を)変えたんですか』とかいろいろ聞かれたのですけど、30分粘って、通っていいということで、今の病院に通うようになりました。

家からいちばん近い病院です。主治医が、たまたま相性が良かったのですね。もう20年近く行っています。もうツーカーですね。母の悩みまで聞いてくれます。短いと3分ですね、やはり。長いと15分ぐらい聞いてくれます。」

Q.主治医の診察は長いほうがうれしいですか

「薬だけが欲しい時は3分のほうがいいですね。ただ、自分で話したい時は、先生これも話したいからもうちょっと時間取りませんかと言って、時間を延ばして話を聞いてもらっています。だから他の患者さんみたいに、おとなしくはしていないですね。

私も、講演などをやっているので、時間の引き延ばし作戦をみんなに教示しているわけですね。手紙を持っていくとか、家族の人と一緒に行くとか、そういうことを勧めていますね。家族と一緒に行くと、本人とも問診しなければいけないし、家族も質問が出てきますよね。だから、一人でどうしようもない時は、いちばんいいのは家族と一緒に行くことですね。」

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