1直腸がん―23歳のとき
「昭和63年7月、痔かと思って病院に行くと『ポリープができていますので、とりましょう』と言われてとりました。そのあと検査に出すと『(ポリープは)悪性で、直腸がんです。人工肛門の手術をしますから』と言われて、8月に手術をしました。
私はまだそのとき23歳で、大きな病気をしたこともなく、周りにそういう人もいなかったので、よくわかりませんでした。『そうなのか、手術しないといけないんだな』と思いました。でもそう言われてもすぐに決められない。結婚していて、相手と義母、私の両親や周りが皆『人工肛門にしなさい』と泣いて頼むのです。『頼むから手術してほしい』と。
高校生の頃に、多分NHKだったと思うのですが『人工肛門をつけている人たちがすごく困っている』というような番組をやっていたのをひとりで見ていました。それから何年か経っていたのですが『あの人たちはすごくたいへんなんだな』というのが頭に残っていたんです。
でもそれだけ皆が『手術して』と言うぐらいなので、『手術しないといけないのかな。相当悪いのかなぁ・・・』と思って、手術を受けることにしました。」