「(手術を受けた病院では情報がなかったので)日赤病院の患者相談室を訪ね、『人工肛門の人たちの会とかありませんか?』と聞いてみました。詳しい情報は全然なかったのですけど、日本オストミー協会兵庫県支部の支部長さんの電話番号だけがそこにありました。そこに電話をすると、『神戸で相談室をやっているから、一度来なさい』と言ってくださいました。
日本オストミー協会には、ETナース(現在は皮膚・排泄ケア認定看護師)の方を支部に招いて、一対一で装具の相談をさせてもらえる“相談室”というのがあり、私もそこに行ってはじめて専門家の人と出会えて、ストーマやケアに関するいろんな話を聞くことができました。すごく元気になれたし、他にも相談しに来られている方がいて、とても安心できました。
それまでは、(術後)何ヵ月間かですが自分ひとりだけでした。周りに人工肛門をつけている人もいなくて何もわからなくて。それこそ食べ物は何でも食べていいのか、ビールなどお酒も飲んでいいのかもわからないし、いろんな不安がありました。しかし日本オストミー協会に行ってはじめて変わったというか、いろんなことがわかりました。
結局、自分で動かないと病院では何もしてくれなかったのです。」
ET(Enterostomal Therapist)ナース : ストーマ(人工肛門・人工膀胱)をもつ患者のケアを行う専門看護師●信頼できる医師と出会う「日本オストミー協会で出会った先生に、『ちゃんと検査をしたほうがいいよ。検査してる?』と聞かれました。普通は半年〜1年ごとに検査するという話でした。
病院に行ったときに『オストミー協会で、“検査を半年ごとなど定期的にしたほうがよい”と聞いたけれども、私はしなくていいのですか?』と主治医に聞いたところ、『あなたはもう悪いところはとったのだから、検査は必要ないです』ときっぱり言われました。
その協会で出会った先生といろいろ話をするうちに、『今の病院、おかしいんちゃうかな』と思うようになりました。薬も15種類ぐらい出ていて、その先生のところに持って行って見てもらうと、『これもいらんし、あれもいらんし』と、どんどんいらない薬をはずしていくと、本当にいるのは『これぐらい』ととても少なくなったのです。
やはりだんだんと『信用できないな』と思ってくると、手術をしたこと自体も『間違いだったんじゃないかな』と思ったりもしました。
『どうしようかな』と思いながらも、最初はかけもちというか両方の病院に行くような感じでしたが、だんだんと手術した病院には行かなくなりました。
移った先の病院では、ストーマのことをちゃんと看てもらえたので、すごく助かりました。いつも診察に行くと、いい先生なのですごく人気があり、予約がいっぱいなのです。診察は少しの時間だけで、30分ぐらいほとんど私の愚痴を聞いてくださって、『いつでもグチ言いに来ていいよ。聞くから』と。だから精神面でもすごく助かっています。」