3コンチネント・イレオストミー
「はじめてストーマと対面したとき、私は自分で自分のストーマが見えなかったから、看護師さんが鏡を持って来てくださって、『初対面です。かわいい、ストーマですよ』と言って。鏡を通して、まだ傷跡が生々しくパイプがつながっている真っ赤なストーマが見えて、愛おしい思いがしました。『これと今後、付き合っていくんだな・・・。でもこれのおかげで生かされた。本当にありがとう』と。
私のはコンチネント・イレオストミー※で、小腸の内側におそらく1リットル少々は便がたまるパウチを作って、通常は(皮膚の表面には)紙おむつをあてて、紙おむつに腹巻をしている。もう全くパウチとか装具はいっさい使っていません。術後20数年ずっとそれで、排便のときにはカテーテルを挿入して流し出すと。だからパイプ(カテーテル)1本持って旅行にも行きます。」
●自分で任意に排便
「1日にだいたい3回、朝・昼・晩、ときには夜中にも出すことがあります。1回の減圧(排便)が15分から20分ぐらいでしょうか。パイプで流し出すんだけど、細いパイプだから固形物が詰まる。そうするとカテーテルを掃除しながらまた抜くと。減圧の時間がときには1時間ぐらいかかる日もありますね。掃除しながらまたやり直すと。無理すると傷つけて、血が出ます。でも腸の傷はすぐ治るみたいで、すぐに血は止まります。」
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※ コンチネント・イレオストミー
便を一時的に溜められるように、小腸の一部を袋状に成形した嚢(ふくろ)を伴うように作成された回腸ストーマの術式。一般的なストーマ装具としてのパウチを用いる代わりに、嚢に溜まった便を随意的にカテーテルを用いて排泄を行う。合併症や手術手技、管理上の問題などから、より多くは、従来の回腸ろう(回腸ストーマ)造設術が行われる。