「非常に熱心な先生で、インフォームド・コンセントを非常に丁寧にやってくれたり、あとから見直してみると同じことを2回聞いてくれていたり、絵を描いていろいろ説明してくれたりしているんです。
ストーマを作ったときも『せっかくストーマ作ったんやから、あなたには天寿を全うしてもらわないと困ります』と言ってくれたんですけどね。もうひとつ胸に響かなかったというか、そんな感じがしました。申し訳ないですけどね。若くてなかなか熱心な先生だったんですけども。
こちらも当時仕事が忙しくて、『病気のことは専門家である医師に任していたら、それ以上のことはない』ということで、特に調べもせず、気にもしなかったんですけども。あとから考えると『やはりそれはちょっとまずかったな・・・』という考えになりました。
あとでインターネットで調べてみると、『やっぱり(人工肛門にしなくても腫瘍を)取れたんじゃないかな』という思いがあったのです。」
「はじめは30mmぐらいの、非常に(大きさ、形、周りの皮膚の状態が)良いストーマを作ってくれたんですけども、それが壊死してしまいました。はじめはきれいな色だったのが、だんだん紫色になって、黒くなって、結局ストーマに血流がなかったんです。看護師さんがいろいろ心配してくれましたけど、最終的に2週間後に再手術で『作り直し』ということになりました。
2回目のストーマは非常に小さくて、いまだに狭窄の心配をしているんです。あとシワが非常にありまして、装具を貼りつけるときに隙間ができますから、どうしても装具がすぐに解けやすい、排泄物が滲みやすいのです。『この先生、ストーマ作るのはじめてやったんかな』と疑念がありまして。結局、WOCナース(皮膚・排泄ケア認定看護師)がいる病院に変わって、そこでずっと予後の検診もするようにしたという経過がありました。」
「(当時)アメリカのがん保険の会社は、『粘膜内に留まっているがん(新生物)は、悪性新生物と違って、がん保険の給付はしません。粘膜筋層に達してはじめてがん保険の給付になります』ということで、結局(私の場合)がん保険がおりなかったんです。
外科の先生はそれを知っておられて、退院するときに『がん保険の給付を受けるので診断書を書いてください』と言うと、『なんで?これがん保険おりんよ』ということで、診断書をくれなかったんですよ。それで『おかしいな。ストーマまで作っているのに、なんでがん保険がおりないのかな』と思って調べてみると、当時ウェブサイトや新聞に出てそれが問題になった頃で、私も見ていたんです。その後、どのがん保険の会社も給付するようにはなったんですけども。
私はがん保険以外に疾病保障の生命保険に入ってましたから、医療費はそれでまかなえたわけです。その後、前立腺がんにかかって粒子線治療というのを受けましたから、これは医療費が非常に高かったんですけども、がん保険の給付がありました。結果的に保険で8〜9割まかなえて、非常に助かりました。」
「会社の特約に任意で入っていました。もともと父親と母親ががんで亡くなっていましたので、がん保険だけは入ったというような状況です。
母親は胃がんです。父親も小さいときに亡くなって、多分胃がんだったと思います。おばあさんも胃がんということで。昔はやはり辛いものをたくさんたべて、塩分をたくさんとりますから。胃がんの系統みたいな感じだったんです。」