がんと向き合う

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藤井文雄 さん
(ふじい・ふみお)
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香川県出身。59歳(1999年)のとき会社の人間ドックで直腸がん(前がん状態)が見つかる。開腹手術を受け、ストーマを造設。3年後、原発性の前立腺がん(ステージT3a)が見つかり、ホルモン治療後、粒子線治療を受ける。現在は副作用を経過観察。2001年より日本オストミー協会兵庫県支部幹事、ピアサポーターとしてオストメイトの相談にのる。趣味は四国などの山歩きと読書(好きな吉村昭、司馬遼太郎はすべて読了)。
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3ストーマ・ケアのこつ

「だいたいストーマは、形とか周りの皮膚の状態、人によってはメスの跡があったりシワが寄っていたり、あと便の状態も水様便、下痢便、軟便、普通便と、人によっていろんな種類があるわけです。ですから、その人に合うようなケアをしないといけません。看護師さんの教科書にも標準的なストーマ・ケアについては書いてありますが、全くその通りにはいかなくて、『自分でコツコツ積み重ねていって、自分に合うやり方を作る』ということです。

研修会を開いて『こうですよ』と言っても、それが全部自分に合うかというとそうでもないですから。自分に合うようにするためにはやっぱり、ひと月経って『ああ、慣れてきたな』と思っていると何かで失敗して、1年経って『これで安心や』と思うと、3年ぐらいして『まだ足らんかったことあったんやな・・・』とか、そんな積み重ねの連続でいってます。

最近はストーマ・ケアはちゃんとできるようになったんですけど、今度は自分の体が変わってきていて、またちょっと(装具の具合が)おかしいなということです。皮膚の乾燥がありますし、体型が猫背になってシワが寄ってくるとか、目が見えにくくなるとか、皮膚障害が出ても非常に治りにくい。たとえば切り傷や擦り傷をして、若い人だったら3日で治るのが、こっちは2週間も3週間もかかったりしますから。ストーマ・ケアの工夫はもうずっと続くのかなと思っています。」

Q.工夫すれば、だいたい解決するものでしょうか?

「だいたい解決できますね。はじめの慣れない頃はいつもストーマのことが気になっていたんですけど、今はもう普通の生活の中でポコンポコンと問題が出てきて、それに対して改良する、やり方を変えてみたり、装具を変えてみたりと、そういう工夫ができるようになってきました。」

●剥離剤、皮膚保護剤の進歩

「私もはじめの3ヵ月は皮膚にびらんが出て失敗して、ストーマ装具を貼る周りに色素沈着が起きていたんですけど、最近はセラミド入りの皮膚保護剤を使っていて、色素沈着していたところがだんだん普通の肌に戻ってきているんです。2年ぐらい使っているんですけど、びっくりしました。完全には元に戻らないと思いますけども。だいぶ皮膚障害が起こりにくくなってきています。」