がんと向き合う

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山本千佳子さん
山本千佳子さん
(やまもと・ちかこ)
MRCミツイリボンクラブ 代表
東京都在住。43歳のときに乳がんと診断される。全摘手術および乳房同時再建術を受け、1年間のホルモン療法を経て現在に至る。乳がん患者をサポートしたいという思いから2003年にMRCミツイリボンクラブを設立、代表を務める。2006年に乳がん患者さんとご家族の心のアンケートをまとめた絵本『BE HAPPY』を発行。
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2手術までの3ヶ月

「診断された時から胸が痛み、味覚がなく、それはまるでなにかお薬の副作用のようで、人間の体は不思議だな・・・と思いました。それでも普通に生活はしていましたし、知らない人はその手術までの3ヵ月を普通に過ごしている私としてしか見ていないと思いますが、身体的な苦痛や精神的な苦痛は、泣いたり相談したりすることよりも、身体の痛みとして現れたのだと思います。

その晩はひとりでいたくなかったので、親友の家に泊めてもらい、心配してくれていた両親と彼と、私より3ヵ月先に乳がんになって手術を受けていた東京の叔母に電話して報告し、叔母には『無理せず皆に甘えなさい』と言ってもらいました。

寝ているときや、ご飯が終わってホッとしているときに痛みを感じました。やはり日常張りつめている時には(痛みは)それほど出ないのです。(痛みで)眠れないこともありました。

病院からいつ入院の連絡をいただけるか確約をいただけなかったので、結局お電話がある一秒前まではわからないわけですね。その当時は携帯電話をいつも握りしめている状態で、ずっと緊張していました。『あぁ、このがん、早く取ってしまいたい』と思っていて、『がん細胞がそんなに大きくなることはないですよ』とは言われていましたが、自分の中にそういう悪い組織があるということで恐怖(感)がすごく大きかったので、入院が決まったとたんに『万歳!』という感じでした。

あとは入院の手続きと、前日に家族を交えて手術の流れを医師のほうから説明するという流れで、手術までの2、3日は、もうすごくウキウキしていました。」