6本人の病気の認識
「どうなんでしょうねぇ。ま、その辺が、自分はそういう病気であるということは、しっかり分かっていますし、お薬をやめてしまえば、また前のような症状がどんどん膨れ上がるっていう(ことも)。
私もそうなんですけど、あんまり病名にこだわらない。うちの主治医がね、『先生、病名は何ですか』とか聞くと、向こうからの説明では言われますけど、『じゃ、うちの子は何の病名ですかとか、じゃ、統合失調症なんですね、不安障害なんですね、どっちなんですか!』みたいな聞き方をすると、その主治医の先生は、『お母さん、僕は病名(に)はこだわらない。病名はなんでもいいと思うんです』と。『その症状が病気から引き起こすものなんだっていうことが理解できるための病名であって、その症状に対して自分がどう回避できる力をつけていくか。
例えば、体ががぁっと震え出したときに、人の前でがぁっと発作的に5分・10分震わしてしまうのか。なんとなくそろそろ体が震えそうになるって(いうことを)自分で感じる、で、感じたらトイレに駆け込んで5分・10分通り過ぎるのを待つ力をつけるほうがすごく大事なことやと思います』っていうことで、『病名は、ほんとに治療が続けられない人に、あなたはこういう病名なので、しっかり治療に来なさいよという定義づけだけやと思うんで、もうほんとに病名うんぬんではない』ということを懇々と説明していただいて…。私もほんとにそうだと思いますので、あまり子どももその病名にこだわっていないのではないかなぁって(思います)。だから病名が前に出るものに対しては抵抗があって…。病気を認めていないわけではないっていうところが、きっと入っていると思ってはいるんですけど。」