「そうですね、一番最初から、『この先生いい先生』と初対面で思ったわけではないです。最初の言葉で、なんか傷ついたりとか、この先生嫌やわって思ったりは、あります。入院先の先生で。
一番最初に、なぜその先生を、『えー』って思ったかというと、そのときに(先生に)学校に行けていないお話とかをしたときに、『何で学校に行かれへんの』とか『何がしんどいの』みたいな質問を投げかけられたときに、いや、この先生、精神科の先生で、それが分からないから来てるのにとか、ほんとに初対面のときはそういう思いだったんですが、次に出会ったのは、まず1回目入院してその先生と出会ったのではなくって、普通の単科の病院というか町のクリニックに行っていたので、そこは入院施設がないので、もしも入院を本人が希望したときにすぐに行けるようにカルテを作っておいてくださいって言われて、その大きな病院に、まずカルテを作りにだけ行ったので、その先生にお世話になるとは私たちも思っていなくて。どんな先生がいるか見てきてよ、みたいなことで私たちがカルテを作りに行って、で、また元の町のクリニックに戻っていたんですね。で、実際に入院して、またその先生と半年後に出会うことになって…。」
「その時点では入院で、そうなれば、もっと密に時間を取っていろんなお話をしていただける。時間を取る中で、ほんとに先生が1つ1つ丁寧に説明を、お薬1つにしても、しっかり、実際のお薬を見せていただいて、このお薬はこういうのに効いて、こういう副作用がありますとか、なぜ(薬を)飲む必要があるのかとか、いつぐらいまで飲むのか、今だったら30(歳)ぐらいまでと言われているんですが、30(歳)ぐらいまでなぜ飲む必要があるのかとか、ほんとに日常生活のこととか、いろんなことを、難しい医学用語とかではなく、ほんとに説明をゆっくり丁寧に、何度お聞きしても嫌な顔とか、『前、お母さん言ったでしょう』ではなく、何度も説明してくださる。で、いつでも、『お母さん夜中でもいつでも心配があったら連絡くれていいですよ、様子を伝えますから』って、こちらのすごく不安になっていることに対して応えていただけるというところですごく安心できる。1回目の嫌な印象は、どこかに飛んでいきましたね。」
「病気に対してはしっかり説明をしてくださることと、診療時間が長いんですね。ま、長さ云々というよりも、一応親だけがお話するときは、しっかり病気のことをお話してくださいますし、子どもと先生との会話の中身は、病気に対して、子どもが『先生、この薬はいつまで飲まなあかんの』とか、『もうなんか眠たくて昼間困る』とか、ま、そういうことに対してはしっかり説明してくださる。ですが、あとの時間、だいたい20〜30分は、お話を聞いてくださるんです。長いときは何をしゃべっているのか40分ですが。
その内容を聞いているとね、あまり本人が病気のことを言わない限り、日常生活、テレビ何見てたんとか、共通の、先生もパソコンが好きで、うちの子もパソコンのこととかの話が好きとか、アニメが好きとか、そういう共通の話題で盛り上がって、病気の話は一切せず、『前と薬一緒でいいやんな』みたいなことで30分終わったりとか…。でも、それがすごく病院にいてほっとできる。でも、何かあったときには、子どもがいくら訴えても、薬を変えてほしいとか言っても、『いや、これは今、あなたにとって必要やから減らされへん』とか、バチッと言われます。というところで、子どもも、普段は楽しい会話の中で、先生なりに何かひっかかることとかをしっかり見つけてはって、次のときには、先生、『こんなん言うてたけど、あれは解決したん?』みたいなね。『どうでしたか』ではなく、『うまいこといったん?』みたいな話で、その子がうまく乗り越らえれているかどうかを診てくださっているという部分ですよね。
一応、ちっちゃい子どもさんからずっと思春期を診られている先生で、だから、ほんとに病気で云々というよりも、その子どもたちの成長を見ながら、持っているものは持ちながら、病気とうまくつき合っていくことの大切さ、だから治すことをあまり目標にしないっていうことをすごく言われるので、(病気を)持っていて、軽減できることとか回避できる力をつけていこうねっていうことを言われるので、日常生活のいろんな子どもたちの何気ない生活の中で、アドバイスをもらっているようです。」