統合失調症と向き合う

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香月さくらさん
香月さくらさん
(こうづき・さくら)
1961年(昭和36年)生まれ。社会福祉法人の精神障害者の作業所で事務の仕事に従事している。息子さんが12歳のときに発症(現在21歳、大学生)。2009年2月に親の会「こころ・あんしんLight(こあら)」を立ち上げ、心の不調で通院している子どもを持つ家族や子ども達を支えようと集まった教師達とともにサポート活動を行っている。
家族構成:夫、息子2人(次男が病気体験者)
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9子どもの不調に気づいたときの気持ち

「最初、眠れないのが小学校6年だったので、その時点では中学校へ行く不安が強いんやなぁって。ほんとに(中学校に)入ってしまって慣れて、学校生活こんなものかと分かったら落ち着くかなっていう程度にしか考えていなかったです。いつかは心が強くなっていくっていう部分で思っていましたし、次に体が震え出した、ほんとに精神疾患の発症と言われる体が震え出したときも、思春期のもつれと思っていたので、思春期を越えれば、ま、誰でも思春期っていろんな悩みがあったり、どうしようもない自分がいたりとかがあるので、この思春期を越えて二十歳(はたち)、大人ってこんなもんかって思える時期になれば治るものだって、軽く考えていましたね。だから、病院にも行っていますし、お薬も飲んでいますけど、どこかで、なんか気合を入れればとか、いつか強い心になれば、心が太くなれば治っていくものと、最初の発症の時期では思っていました。」

●子どもの病気を受け入れる

「そうですねぇ。ある日突然ではなく、やっぱり日々の子どもの症状がどんどん悪くなっていくのと、入院をして、ちゃんと主治医から説明を受けるというところと…。

私の中で一番納得したのが、退院をするときに、この子が自信を持ってできること、僕はこれがすごい、これは得意なんだっていうものを見つけてやれば、自分に自信がついて歩んで行けるみたいな部分を大きく持っていたんです。今もそれはあると思うんですけど、みんなそれぞれ自信というものは大切で。で、主治医に、『この子に夢中になれるものをこれから見つけていったらいいですか』っていう質問をしたときに、主治医が、『いえいえお母さん、普通に日常生活を送れることが大事ですよ』って言われたときにね、すごくショックというか…。朝起きて歯を磨いて、朝ごはんを食べて、学校は別にいいけども、本を読んだり、テレビを見たり、お昼ご飯を食べてお外にちょっと出て買いものに行ったり、楽しくお友達と会話できたり、夜が来て、ご飯を食べて、お風呂に入って寝る。まずこれができること。何気ないことができることが大事ですって言われたときに、『あああ、そうだな、できていなかったな』って。どんなことよりも人間として当たり前のことができるようにというところで、『病気なんだな』って。やはりもう1回ここから親も理解していかないといけない。子どもももう1回支えて、育て直しではなくね、成長していくことかなぁって思ったのが、病気を理解というところですかね。」

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