統合失調症と向き合う

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香月さくらさん
香月さくらさん
(こうづき・さくら)
1961年(昭和36年)生まれ。社会福祉法人の精神障害者の作業所で事務の仕事に従事している。息子さんが12歳のときに発症(現在21歳、大学生)。2009年2月に親の会「こころ・あんしんLight(こあら)」を立ち上げ、心の不調で通院している子どもを持つ家族や子ども達を支えようと集まった教師達とともにサポート活動を行っている。
家族構成:夫、息子2人(次男が病気体験者)
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10家族の病気による生活の変化
●いつも力が入っている

「そうですね。(生活は)大きく変わりました。

まず、子どもが入院をするまでの、一番大変だった時期ですよね。その半年間っていうものは、まず親が眠れないですよね。ほんとにいつ飛び出すかとか、何かしないか。うちの子の場合は、自分を傷つける行為が多かったので、何かあったらどうしようとか。一緒に『お休み』って言うんですけど、今度は親が眠れない状態になりますし。で、何かあるごとにお父さんに早く帰ってきてと言って、仕事を早く切り上げてもらう。ま、主人も仕事を少し軽減しないといけないですし、私も勤めていましたけど、仕事を休むことも多くなりましたし、兄弟も、上に長男が、お兄ちゃんがいますけども、我慢することもいっぱいあったり、振り回されることも多いです。

ほんとに、朝起きたら今日はまた何があるんかなぁ、どうなるんだろうっていう不安があるし、寝れば寝たで、何かあったらどうしようって、もう、いつもいつも気になっていて、耳も澄ましているし、心も緊張しているというかいつも力が入っている状況ですよね。」

●つい不安になる

「一番休まるっていうのは、いつぐらいですかねぇ。退院してきた時点では、またドキドキの始まりですよね。退院してきてオッケーではなくて、そこからが、ほんとにどう家族で支えていけるか、どう理解していけるかというところでは、まだ休まる気はなくて。

どんな子どもさんをお持ちの親も、いつも何かしら不安はあると思うんですけど。やはり毎朝顔を見て、ちょっとしんどそうな顔をしたら、『今日しんどいの?』って、聞いてはいけないと思うんですけど聞いてしまったり、学校から帰ってきてなんかいつもと違う顔をしていたら、『なんか嫌なことあったん?』みたいに聞いてしまう自分がいて、あぁ、また聞いてしまった(と)。でも、今は、ま、何かあったときは、また主治医の先生に言ったらいいし、みんなに支えてもらえるし、何か事(が)起こった時に何とかしようみたいに思えるというか、思うようにもなってきましたね。」

●常に気になる

「もともとそういう(子どもを家に)置いて行くっていうことは…。ちっちゃい時というか、みんなでどこかへ行くほうが多いですし、もう大きくなったので、(子どもを)置いていずれは外出したいと思うんですけど。

先日、ちょっと私が入院をしたんですけど、やはりすごく不安でしたね。だから主治医の先生に、すごく良くしていただく先生なので、いつでも連絡くれたらいいよっていうことで、連絡先も教えていただいていますので、先生にこうこうで私入院しますのでということを伝えたりとか、何らかのサポート体制を固めてということで、10日ほど入院したんですが。まあ、気にはなって、毎日『どうしてる?』みたいなメールをしても返ってこなかったら、『あ、なんかしんどくなってるんかな』とか思って。2泊3日とか、いずれは挑戦してみたいなと思っています。

(私の入院中は)まあ、大丈夫だったんでしょう。なんか本人は、『うん、別に』とは言っていますけど、お父さんは『ちょっと、どうかなぁ』という様子は聞いて…。顔を見ないのでね、余計に勝手に親が心配しているだけかも分からないです。」

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