「親だったらみなさんそうかも知れない、すごく心配ですよね。また悪くなったらどうしようとか、ついつい言ってしまったときに、(息子から)『今の状態でね、今までの経験の中で、自分が悪くなっていくことは、自分の中でちゃんともう分かってるし、回避できる方法は自分で持ってるから、お母さん、あまり必要以上に心配せんといて』と言われたときは、なんか成長したなっていううれしさがありますね。」
「それと、まったく病気とは違うんですけども。いっぱい辛い経験をしたりしていますよね。本人はいろんなことを言われたり、怠けてるとかね、ま、いろんな経験もした。いろいろしんどい思いもしたっていう中からそういうことができたのか、そういう言葉が出たのか分からないんですが、私がちょっとけがをして救急車で運ばれることが、つい最近あったんですけどね。
家族他みんなと出かけていたんですが、私がちょっと転んだんです。なんでもない所で。主人とかね、周りの者は、『こんななんもない所で』とか『何やってるんやぁ』っていう、そういう言葉ばっかりだったのに、病気の息子は『お母さん大丈夫やで、安心してええで。すぐ救急車来るからな』って、ずっと大丈夫、大丈夫っていう言葉を言ってくれたんです。(私を)起こしてくれる時も、『ちょっとしんどいけどお母さん、立てるかなぁ』とか『安心しとき』って。大丈夫っていうのを本当に数多く短い時間で言ってくれるのがね、ほんとに安心したんです。自分自身が一番動揺しているところに、『何しとったんや』とか『なんでやぁん』とかそういう言葉を言われると、すごく不安に陥るんだなっていう経験をして、この子はいっぱいそういう経験をしたから『大丈夫やで』っていう言葉が出たのかなぁって。それは、そんな風に親が思っているのかもしれないですけど。一番最近で嬉しかったし、すごい経験をしたからかなぁ、反対に辛い思いをしたからこういう言葉かけができる子どもに成長できたのかなぁっていうふうに取ったんですけども。」