3受診早期に望むこと
「初診のときには別の病名で診断されたために、『あなたには‘32条’という法律は必要ないよ、もしも32条を通したいならば別の病院に行ってください』っていうふうに主治医に言われました。そのときはやっぱり、病名はどうであれ、もう苦しいものは苦しくて、きつくて、電車にも乗れなくて、大学にも行けなくて、もちろん働く(ワーキング)こともできなくて、経済的にはすごく苦しかったんですけれども…。
そのとき、支援者がいなかったりとかケースワーカーさんっていう存在を知らなかったりとか、カウンセラーにずっとつきたかったんですけど、ついてもらえなかったりとかしたので、発病したときのその繊細な状態を、うまくケアしてもらっていたら、また違っていたかなって思うときがあります。(発病時は)もう何も分からないし、自分はこれからどうなってしまうんだろう、この病気は一生続くんだろうか、この苦しみはずっと続くんだろうかって思ったら、もうほんとにつらかったですね。」
32条:精神保健福祉法第32条のこと。神経症以外の精神疾患にかかっている人の医療費自己負担分の一部を自治体が負担するため(自治体に申請する)、患者さんの医療費自己負担分が軽くなる(通常3割負担のところ0.5割負担に軽減)。