「そうですね。父と母はやっぱりすごい心配性なので、もう両親だけには病名のこととか精神科にかかっているということをずっと隠したくて隠したくて、隠してたんですけど、両親が上京してきたのでばれました。(受診後)1か月か2か月ぐらいで、ばれてるんですけど。(親は)悲しんでましたね。
私の部屋にいきなり…。私が大学から帰って戸を開けたら開いているんですね、鍵が。えっと思って後ろを見たら両親が立っていて、『おまえ、この薬は何か』って言われました。私の母が統合失調症で、ものすごく電話をかけてくるんですね。1日に10回以上かな。ずっと電話をかけてくるので、私、電話線を抜いたんですね。そしたら、もう飛んできました。ものすごく心配だったみたいですね。
私もやっぱり余裕がなかったからですね、親にすがりたいとは思えなくて…。」
そうですね。今考えてみれば、自分の言動とかを思えば、嫌われるかなって思うんですけど、その当時は自分の状態が分からないので、周りがどれだけ嫌がっているかっていうのを分からなくて…。で、みんなは手のひらを返したように去っていって、『私は1人なんだわ』って思いました。
まず電車に乗ったら吐いてしまうんですね。それで、もう電車に乗れなくなってしまって、まず通学ができなくなりました。で、学校に行っても90分1コマがもたなくて、もうすぐその場を離れてしまいます。その場を離れたあとは、やっぱり泣きながら学生相談室とか保健管理センターとかに行くんですけど、結局、誰も助けてくれないというか…。大学に精神科医はいたみたいなんですけど、『もう君は先生(医師)にかかっているからいいでしょう』って言われて、学生相談室のケースでは、カウンセリングも大学以外の話はできませんっていうふうに言われて。でも私の気持ちはいろんなものが渦巻いていて、1つの大学だけのことっていうふうに切り離して考えられなかったので、私のつらい気持ちを聞いてくれる人はもう主治医ぐらいという感じでした。」
病識:自分が病気であるという自覚