統合失調症と向き合う

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近島勇さん
近島 勇さん
(ちかしま いさむ)
1945年生まれ、67歳(収録時)。会社員として働いていた35歳頃に発症。家族の希望で入院治療の体験はない。症状がうまくコントロールできないことから仕事を辞め、主夫として家族を支えてきた。作業所と出会うことで同病を有する他者と交流し、病識を得たという。現在は、ヘルパーや電話相談など様々なピア活動を行っている。妻、娘との3人暮らし(息子は結婚し独立)。
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3受診した時のこと
Q.精神科を受診した時のことを憶えていますか

「私は、その時はもぅヘトヘトになっていてね、自分では1人で病院に行くこともできないような感じでした。だから、初診は、アルコール(依存症)専門病院が4月27日で、精神科病院へ行ったのが28日ですけども、妻に連れられて電車で行って途中からタクシーに乗って病院に行くわけですけども、私は主治医と話しをするのではなくて、もう立っていることもできなくて病院のソファーで寝ていて…。主治医と妻が話しをしていたんです。

そのうち妻がやってきて、コップと水を出して、『これ、お薬飲みなさい』と言ってね。で、それを『ゴクン』と飲んだんですね。それが精神科の初めて飲んだ薬ですね。私はその前の夜に幻聴と『ワァァァー』とやりあってね。最終的に幻聴、トップではないのだけれど、ちょっとドンぐらいの人と約束みたいなものをしてしまうんですよ。人体解剖を先にされるから、秘密事項を新聞とかテレビに公表しろという形でね。だから私は、それ(薬)は毒薬だなぁと思って飲んだんです。でも毒薬ではなかった。まぁ死ななかったというか、その代わり、公表もされなかった、そういう形だったんです。」

Q.病名を言われた時の気持ちを教えてください

「私自身は、先生に『精神分裂病です』と言われた時、涙がポロポロ流れ落ちました。それはなぜかというと、私は先程言ったように秘密結社があって、秘密兵器でやっていると、(そう)私は信じ込んでいましたからね。それで、敵は、巨大な力というのか、いわゆる医者も巻き込んで医者に圧力をかけるか、医者もその仲間で、私を精神病扱いしようとして、決着をつけようとしているということで、敵の力に負けてしまうというのか、どうしようもない自分の無力さというのか、その悔し涙でポロポロポロポロ涙を流しました、その時。」

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