統合失調症と向き合う

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近島勇さん
近島 勇さん
(ちかしま いさむ)
1945年生まれ、67歳(収録時)。会社員として働いていた35歳頃に発症。家族の希望で入院治療の体験はない。症状がうまくコントロールできないことから仕事を辞め、主夫として家族を支えてきた。作業所と出会うことで同病を有する他者と交流し、病識を得たという。現在は、ヘルパーや電話相談など様々なピア活動を行っている。妻、娘との3人暮らし(息子は結婚し独立)。
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11病気への偏見について
Q.病気に対して偏見や差別を受けた(感じた)ことはありますか

「それは、35歳で発病して37、8(歳)ぐらいだったと思うのですけれど。義理の弟が亡くなって、葬式に行ったんです。その時に、やっぱり私もちょっとおかしかったんだと思うのですけれど、お焼香する時に、遺影を普通の人よりもちょっと長く、じーっと見つめたままで(いて)ね。そしたら、『あいつ、何してんや?』とか『気ちがいやから、ほっとけぇ』とか言われ、向こうの親戚の声が(して)ね。あれは幻聴ではなかったと思うのですけれどね。

それと、病気になる前までは妻の実家に帰っていたんですよ。年に1回か2回ぐらいね。病気になってからは、もう、妻の実家には私は帰らない。やっぱり、田舎だしね、その辺ではまだ、なんて言うのかな、『統合失調症』ということを田舎でおおっぴらにするというのはあんまりできにくい雰囲気というのがあるみたいですね。」

Q.病気について家族で話をしたことは?

「まぁ、ありますけどね。もう大変だって聞いた。ただ、大変な中でもちょっと助かったのは、妻も働いていたでしょ? 妻は、もぅ自分の仕事をもつだけでも、小学校の先生で結構ハードな仕事だから、精一杯で、私の細かい事まで、さっきのように、本当に自分では薬も飲めない状態、ご飯、夕食作りを任されてもできない状態、通院に行くのも1人で行けないような状態、そういういざという時にはやってくれるんですけどね。それ以外では、むしろほったらかしにされていたというほうがいいような感じね。だから、あまり干渉されなかったというか、過干渉にならなかったということで良かったと思いますね、余分にね。」

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