統合失調症と向き合う

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近島勇さん
近島 勇さん
(ちかしま いさむ)
1945年生まれ、67歳(収録時)。会社員として働いていた35歳頃に発症。家族の希望で入院治療の体験はない。症状がうまくコントロールできないことから仕事を辞め、主夫として家族を支えてきた。作業所と出会うことで同病を有する他者と交流し、病識を得たという。現在は、ヘルパーや電話相談など様々なピア活動を行っている。妻、娘との3人暮らし(息子は結婚し独立)。
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8薬について
Q.会社を辞めたあと、通院や薬は変わりましたか

「病院への通院はずっとしているんです。変わったのは、本当に最近。最近というか、総合病院の先生がクリニックを開業されたんです。その辺りから、セレネースリスパダールに変わったんです。

1番目の精神科病院は遠かったから変わったでしょ? それで、その先生が言っていてよく覚えている言葉は、『何の為に通院するつもりなんですか?』と聞かれて、私、結局答えられなかった、答えなかったんですけどね。そのうち、自分が病気だと分かった頃から、先生ともちょっと話をするようになったという事はありますね。

それまで薬の話はしなかったんですよ。で、さっき言ったセレネースを飲んでいたのを、先生のほうから『ちょっとリスパダールに変えてみようか?』と言って、リスパダールに。もうかなり長い期間飲んできたのですけれども、リスパダールを飲むと私は『うつっぽい』気分が出るので、『今度はエビリファイに変えてみようか?』ということで、今、エビリファイとドグマチールを飲んでいます。あとは睡眠薬でエバミール。これも先生と相談して、毎日飲むのではなくて、頓服的に、頻度として3日のうち2日ぐらい飲むという感じの量でもらっています。」

セレネース(ハロペリドール):定型抗精神病薬
リスパダール(リスペリドン):非定型抗精神病薬
エビリファイ(アリピプラゾール):非定型抗精神病薬
ドグマチール(スルピリド):抗精神病薬
エバミール(ロルメタゼパム):睡眠導入剤

Q.夜はよく眠れていますか

「エバミールの場合は、2時間は確実に寝られるのですけれど、それ以上は目を覚ましたりします。私の場合は、歳のせいもあるしね。寝られない、眠りが浅いのはね。

何にもしないで寝ていると、やっぱりちょっと『ムニャムニャ』と声が聞こえてきそうな感じ、確実に聞こえるまではいっていないのですけれど、聞こえてきそうな気がするので、CDをかけるんです。CDをかけて目をつぶって(いると)、そのうちに寝る。途中夜中に目覚めて、またCDをかけてずっと寝ちゃうというような睡眠パターンですね。(CDは)ほとんどが演歌です。私1人の部屋で聴いています。」

Q.薬による副作用はありますか

「やっぱり疲れやすいというのは、よく言われるのですけれどね。あれはやっぱり薬のせいじゃないかなと思うんですよね。薬を中断している時期というのは、疲れやすいというよりもむしろテンションが高くなってね。いろんな気配だとか、神経がピリピリピリピリしてくるんです。で、いわゆる“空元気”に近いのですけれども。“空元気”は、むしろ薬を飲まなかった時のほうがありましたね。やっぱり薬を飲むと、ちょっと体が怠く(だるく)なる。考えがややしんどくなる、考え事をするのがね。そういうことがありますね。

ただ、セレネース、リスパダール、エビリファイ、段階的に今のエビリファイのほうが、ほとんどしんどさとか副作用とか、特にうつっぽさとかは取れますね。喉の渇きは、エビリファイではないです。今、いい感じです…、すごく。エビリファイは4年程前からですかね。」

Q.症状が悪化しないように工夫していることはありますか

「やっぱり睡眠をいちばんに取るようにしています。何かある時は、事前に睡眠を取って、準備しておくとか。それで、終わったあと、疲れたなというようなことがある時は、また睡眠を取って、というように注意しています。

その他では、ストレスをため込まないように、いわゆる好きな事、例えばボーリングに行ったり、『極楽湯』という天然温泉が(家から)歩いて7分ぐらいのところにあるので、そこに行ったり、映画を観たり、本を読んだりします。」

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