3やっぱり家はいいですね―ある患者さんの例
「『病院では絶対死にたくない』と言われて、60代の方が病院を嫌って帰ってこられました。大腸がんで骨盤転移の方です。往診をして緩和ケアをリセットしたところ、最初は歩けないし一定の角度でしか寝られなかったのですが、その方がご飯が食べられるようになり、3週間目には歩いて2階に上がられた。それから2階で療養するようになって、『やっぱり家はいいですね。2階に上がってやっぱり自分の家に帰った感じがした』と言われた。大変印象的でしたね。ささやかな在宅医療の勝利というか、緩和ケアが成立した瞬間だったと思っています。」