がんと向き合う

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片山 壽さん
片山 壽さん
(かたやま・ひさし)
広島県尾道市・片山医院院長
内科医。尾道医師会会長。地域の高齢者医療、介護、緩和ケア、病診連携を積極的に研究、推進。著書に『地域で支える患者本位の在宅緩和ケア』。
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11痛みをとることが最優先事項
Q. 2007年に成立した「がん対策基本法」では“早期からの緩和ケア”が重要政策として入りました。今後,日本で緩和ケアが進むためには何が必要でしょうか?

「これぐらい政策として前進したことは今までなかったと思います。やはり資源として、(緩和ケアをするのは)専門家ということにあまり特化せずに、一般のベテランの開業医にはすべて納得のいく研修を受けてもらって、それはモチベーションの高い人はいっぱいいますから。そういう系統的な開業医のベテランで在宅医療もきちんと行っている人などに、戦力として、患者さんの側にいる開業医にきっちりとした研修をして、資源として在宅緩和ケアを支えるという風にすべきでしょう。あるいはその支援態勢として急性期病院、まず病院の中で痛みが取れない病院では困りますよね。ただ主治医として開業医が病院に患者さんを診にいったときに痛みが取れていなかったら開業医のほうからアピールしますから。『痛みがとれてないじゃないか』と。だからそういう仕組みも必要でしょうし、当然その専門医療機関で、がんの治療をするところで痛みが出ているということは許されないという常識にまで発展することが必要でしょう。今はたぶんその方向に向いているんじゃないかと思っています。だから両面作戦、開業医の方の技量の向上と、病院内ではもう痛みは存在しないと、要するに痛みを取るということは病院長を先頭にした病院全体のチームとして、最優先事項であるというふうにしなければいけないと思います。がん拠点病院だけではなく、がん患者さんを受け入れている病院はですね。たぶんそういう流れになると思いますけど。」