統合失調症と向き合う

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五十嵐 徹さん
五十嵐 徹さん
(いがらし とおる)
31歳、男性。23歳のときに症状が出現し、発症から3か月後に精神科を受診。2回の入院を体験し、現在は、症状も安定し、週5日、フルタイムに近い形で倉庫内商品管理の仕事に就いている。通信教育で「社会保険労務士」の資格を取っており、いつの日か精神障害者のさまざまな手続きをサポートしたいと思っている。
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6コミュニケーションについて
●病名の告知

「(病名は)言われたことはないですね。自分でもうわかっていて。1回目の入退院の後に、デイケアに通っていたときに『統合失調症』とかいう本を持っている人とか、統合失調症の薬がわかる本とか、そういうのを借りたりとかしましたね。あと主治医から『リスパダールという薬をネットで調べろ』みたいなアドバイスは受けましたね。それでもう薄々気付いて、自分で『統合失調症とつきあう』みたいな本を買って、『ああ、これだ』と思って…。

(先生に)1回聞いたことあるんです。それは急ピッチで減薬していたときなんですけど、まだわからない、疑いはあるけど一過性のものかもしれないしと。今になると忘れてしまったんですけど、何パーセントの確率で、薬を飲まなくても済む人はいるというので、もしかしたらそれに入れるんじゃないかという甘い期待はあったんですけど。なんか無謀なあれ(減薬)だったなって思いますね、あの(減薬の)速さというのは。ほんと振返ると。」

●減薬によるリスクの説明

「ややこしくなるかもしれないんですけど、初診のときの先生と、先生が違うんですよね、減薬をした先生は。急ピッチで減薬するということは、どんなリスクがあるかというか、どのぐらいリスクがあるのかということをきちんと説明してほしかったと思いますし、自分も、少しでも体調がおかしいというときは、敏感に先生のところに診察に行けばよかったなと思って…。医師と患者というか、双方ともコミュニケーション不足だなというのは感じます。

副作用とかも、言っても相手にされないときもあるんですよね、『そういうはずはない』みたいに。今の主治医とかはないんですけど、『そういうこともあるらしいね』とか『それは薬のせいじゃないかもしれない』とかきちんと言ってくれるので。頭ごなしに否定する先生とかもいましたね、やっぱり。『そういう副作用はあるわけがない』みたいな感じで。

今の先生は、すごい・・いいですね、はっきりしていて。コミュニケーションもいいですね。いろいろ、自分の言いたいことも言えるし、先生の意見もちゃんと言ってくれるというので。薬に関しては先生ですね、やっぱり。自分も新しい薬が出ると、結構、興味をもって調べるんですよね。で、『先生、この薬どうですか』みたいな感じで聞いて、(先生からは)『これはこういう副作用が出て』とか『太りやすい』とか。

やっぱり、先生(医師)たちも午前の間に『何人さばかなきゃいけない』というので、時間がないと思うので、当事者というか患者たちもやっぱり意識というか、自分の場合は、自分がなった病気なんだからよく知りたいなというの(思い)はありましたね。自分がなってしまったもので、これから付き合わなきゃいけない病気なんだから、隅々まで知りたい、よく調べよう、みたいなの(気持ち)はありますね。」

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