統合失調症と向き合う

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五十嵐 徹さん
五十嵐 徹さん
(いがらし とおる)
31歳、男性。23歳のときに症状が出現し、発症から3か月後に精神科を受診。2回の入院を体験し、現在は、症状も安定し、週5日、フルタイムに近い形で倉庫内商品管理の仕事に就いている。通信教育で「社会保険労務士」の資格を取っており、いつの日か精神障害者のさまざまな手続きをサポートしたいと思っている。
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13医療従事者へのメッセージ
●個別性を捉えて欲しい

「医療従事者の方は、私たちのような統合失調症の患者というか精神障害者を、まず統合失調症を個性と捉えて、個性を持った同じ一人の人間であるということを認めてから福祉や医療に携わってもらいたいなあと思います。あのう医療体制がどうのこうのとかよりも、医療従事者の意識改革というか(それが)必要なんじゃないかなと思いますね。

一人の人間として扱っていないのは、多々見受けられたときがあったので…。地域も医療従事者も含め、みんなでその個性を認め合って助け合って生きていける社会というか、そういうものがあったらいいなと思うんですけど、これは理想で、たぶん難しいのではないかなとは思いますね。

感じていたのは、『職員だからスタッフだから偉い、お前らは所詮(しょせん)患者だ』みたいな応対というか、(そういうことを)されたことはありますね、自分も。だから、やっぱり同じ目線というのが重要じゃないですかね。まずは同じ目線で、憐れみすぎるのもあれですし、統合失調症の人はかわいそうなんだ、みたいな感じはやめてもらいたいとは思いますね。

いくら重たい障害者でも、今、風潮っていうか、日本は遅れているほうかも知れないんですけど、地域に出そうとなっているので、そのためにも地域支援とかが必要になるし、退院サポートみたいなものとかも必要だと思いますし。で、退院して1人暮らしするにもお金が必要というので、社会資源だったり福祉サービスなどの情報提供だったりとか、あとは、そうですね、本人が働きたいのであれば、就労支援プログラムを積極的に組んでいくというのも必要なんじゃないかなと思います。」

●チーム医療であたって欲しい

「進んでいる地域だと、もうあるかもしれないですけど、ドクターとかナースとか臨床心理士とか、あと精神保健福祉士などがチームで医療に当たって、地域支援と就労支援プログラムみたいなのを組んでほしい。僕が通っている病院にそれができればいいなと思っていましたねえ。デイケアで就労支援などもやってもらいたいんですけど、全然やっていないのが現状ですかね。地域支援と就労支援というのはセットでやったほうがいいとは思うんです。日常生活みたいなものが安定しないと、やっぱり就労もうまく続かないと思うので…。」

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