「それは、本を読んで内容が理解できるということですね。例えば、急性期で入院した時などは、例えば新聞を読んでも、活字があるのは分かるのですけど、読めないのです。テレビを観ても、しゃべっているのは分かるのですけど、しゃべっている声は聞こえて、単語もちゃんと聞き取れているのですけど、内容が全然入ってこないです。だから、何をしゃべっているのかなあという感じなのですけど。例えば、妄想だと思うのですけど、新聞の株取引の欄を見たら、全然知らないような企業の名前がバーッと並んでいたりとか、そういう妄想があったりしたのですけど、そういう妄想は、すごくひどい時にはあるものでして、精神障害者はみんなそうだと思われてしまったらまずいので、薬を飲んで安定している時は、健常者とたいして変わりません。
(安定したのは)8年ぐらい前ですかね。」
「それは、怒らないことですね。やっぱり人とのコミュニケーションとか交渉で、怒ってものを言って、けんか腰になったほうが負けなので、冷静になっているほうが必ず勝ちますし。また、周りが誤解しますよね。やっぱり大人気ないとか。家に帰って愚痴を言って、親に当り散らしたりなどということがあったりすると、そのスパイラルにはまってしまうので、怒らないこと。それが一番だと思います。」
「それは、私が精神障害者であるということは、もう近所中知っているのですね。だけど近所の人達は、私のことを白い目で見たりとか…全然していません。その理由は、ひとえに父と母が、近所づきあいが良いせいがあるのですね、ものすごく。そういう父や母に、怒鳴り声を上げたりとか調子が悪いからといって大きい声を張り上げたりすると、やっぱり近所は『なんだなんだ』ということになりますから。父や母に暴言を吐いたりということは、近所に聞こえていますからね、結構。うちなんか窓がぼろいものですから聞こえてしまうのですよ。だからそういう大きい声を出したりして、変な奴だと思われないように気をつけています。」