統合失調症と向き合う

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東北ニートさん
東北ニートさん
(仮名希望)
1978年(昭和53年)生まれの40歳(収録時)。大学卒業後、公務員として働いたが、25歳の時に「うつ」状態となり、母親に連れられて受診。その後、精神科病院をいくつか転院し、28歳頃に病名を知る。通院しながら働いていたが、休職を繰り返し、退職。現在は、自分なりの学習方法でいろいろな資格試験に挑戦中。
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9辛かったこと
Q.治療で辛かったことは?

「辛い治療というものはないですね。投薬治療しかないですからね。それは別に苦しいと思ったこともないし。(注射は)打たれていないですよ。飲み薬でしたね。」

Q.こころの慰めになったこと・ものは?

「これはゲーム機器ですね。幻聴が聞こえた時に、頓服(とんぷく)を飲んでゲームをしていると、勝手に良くなっているのですね。勝手に良くなっているというのは変だけど、いつのまにか治まっているのですね、幻聴が。それで、ゲーム機器は欠かせないものだと思っていますね。他にも何か集中できれば何でもいいのかもしれないのですけどね。ただ、いちばん身近にあるのがゲーム機器だということなのですね。

ゲーム好きだったのですよ。しばらくやっていなかったのですけども、たまたま幻聴が起こった時に、ゲームをやったことがあって。それが良かったので、それ以後そういうふうにしているのですね。

幻聴がたいへんですね、やはり。(それ以外の症状は)無いですね、ほとんど何も。疲れやすいですけど、それは自分でセーブすればなんとかなる話なのでね。

体力的というよりは、幻聴が聞こえてきてなんかもう頭がおかしくなりそうになってしまうのですね。それがたいへんなのですね。たぶん幻聴が聞こえなくなれば仕事もできると思いますよ。むしろ最初のほうは全然なんでもなかったですね。診断されていたけども別にたいへんなこともなかったですし。時々、半年ぐらい休んだりとかしていましたけど、その程度で終わったので。」

Q.今まででいちばん辛かったのは?

「今まででいちばん辛かったのは、やはり、休職の3年間が切れる時ですね。辞めなければいけないという決断をした時ですね。それがやはりいちばん精神的にたいへんだったと思いますね。」

Q.現在、あなたの支えになっているものやことは?

「そうですね、まずは15年間働けたという経験と、その間に夜間大学院にも行っているので、それを修了できたことが大きな自信にはなっていますね。

よくやったと思いますけど、たぶんそれは統合失調症と知らなかったのですよね、その時。だからやれたと思いますね。知っていたらたぶん『無理しないでおこう』と思ったと思うのですよね。何歳かな、卒業して5年目ぐらいだから、28(歳)とかそれぐらいじゃないかな。

その前に、私、用地補償の仕事をして町づくりみたいなことも少しやっていたので、【福祉の町づくり】を研究で修論にしてまとめたのですけれども。元々、学部にいた時から大学院に行きたいなと思っていたのですけども、ただ、経済的なあれ(関係)で、うちは行けなかったので。そう思っていたら、大学に夜間大学院ができるということが新聞に乗ったのですね、それで、ちょっとやってみようと思って。サテライトがあったのですよ。先生は来ないですけど、衛星のシステムで本校と同じ授業が流れるというやつだったのですね。

あとは、小学校の6年間と30歳になった時から5年間、ピアノを習っていたのですね。ピアノの演奏というのは自分の人生に彩りを添えていると思いますし、ストレス解消とかにもなるしね。ま、それはいいかなぁと思っていますけども。

電子ピアノですけどね。だいぶ古くなりましたね。その電子ピアノを新しいものに替えるというのも、今の目標の1つなのですけどね。

ピティナ、ピアノ関係の指導者の協会みたいなものがあるのですね。そこでステップという検定をやっているのですけども、それを年に1回、受けられない時もあるのですけども、受けるのを楽しみにしています。

合格・不合格があるのですよね。今は応用2級まで合格しているのですけども、それがまだ全部で23個ぐらいあって、半分より下なのですね。だからせめて過半数のところまでは行きたいなと思っているのですけれどね。ピアノの演奏の技術の評価ですね。」

Q.現在の楽しみや今後の展望は?

「そうですね、一応楽しみとしては、毎週ビンゴファイブという宝くじがあるのですけども、1口200円のやつを買うのが楽しみですね。

あとは、まあ、現在年金を受給しているのですけれども、受給が、もし体調が良くなってなくなった場合に備えて、資格取得の勉強をしています。今のところ、計画としては、5月に測量士補、11月に行政書士の試験を受ける予定で、最終的には土地家屋調査士・司法書士という試験を受けたいと思っています。

たいへん難しい試験なので、健常者の方でもなかなか受からないらしいのですけども、ちょっと頑張ってみようかなと思っています。

(宅建の資格)あの時はですね、取ったのが就職して1年目の時だったのですよ。用地補償をやっていたので。だけど、私がいたところはちょっと特殊で、6人ぐらい平の職員がいたのですけども、5人が新人なのですよ。新人というか、その仕事が初めてという人ばかりだったので、誰に聞いてもなかなか教えてもらえないので、資格を取ったのですよ。勉強しなきゃいけないと思って。人にお金を払うのに、間違ったりしたらたいへんなことですしね。

新しいことを知るのが好きなのですね。だからクイズ番組とかも好きですよ。そうですね、やはり資格を取って合格すると達成感みたいなものがありますよね。満足感みたいなものもあるし。

でもちょっと難しいだろうなと思いますけどね、自分でも。稼ぐのはね。それに、もし事務所を開く資格を取っても、お客さんに迷惑はかけられないですから、そうするとやはりなかなか難しいなということはありますね。バイトに行って辞めるのとは違いますからね。

ただ司法書士とかは、現場を見に行くので車を結構運転して行かなければいけないのですね。そういう面を含めて自信が持てるようになったらということは思いますね。でも、10年もかかるかもしれませんよ、これは。」

Q.病気になったことで生活スタイルがどのように変わりましたか

「そうですね、仕事ができなくなって、療養に専念するようになったということですね。寝ていたばかりですね。ほとんど何もできなかったですね。特に前半のほうは、朝の11時ぐらいまで寝て、夜も早く寝て、もう寝てばかりですね。

結局、他の人に聞くと、睡眠が取れないとか眠れないという人が多いのですけど、私の場合は逆で、睡眠が多くなってしまうのですね。」

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