がんと向き合う

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若尾 直子さん
若尾 直子さん
(わかお・なおこ)
山梨まんまくらぶ代表、薬剤師
2001年8月乳がんと診断され、数名の有志とともに2004年「山梨まんまくらぶ」を発足。山梨県のがん対策推進協議会の委員に就任し、地方からの「がん医療推進」をめざしている。
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12患者の家族からの相談(1)

「相談を受けるなかで家族からというのもあります。ひとつは、妻に対する夫の気持ちで相談を受けたことがあります。がんになった妻を働かせている不甲斐ない夫を演じたくないという気負いがあると思うのです。何に対してその人がそういうふうに思っているのかはわからないですが、世間に対してなのか親戚に対してなのか。妻が病気であるのに働かせなければならないくらい不甲斐ない夫だというふうに自分で自分を責めているのかもしれないし。もちろん奥さんのことをすごく大切に思っているということはわかるのです。でも見方を変えれば、奥さんにしてみたら、家にいてずっと自分ががんと向き合うのには時間が長すぎるんですよね、1日24時間は。だから働きたい、そこから逃げたいという気持ちがあるのだと思うのね。働けるのであって、それを受け入れてくれる所があるのであれば、それは働いたほうがいいと思う。それがその奥さんのことを認めてあげることになるのだと思う、という話をしてはじめてその人は『あぁそうかな・・・』と思ったんですね。」