がんと向き合う

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若尾 直子さん
若尾 直子さん
(わかお・なおこ)
山梨まんまくらぶ代表、薬剤師
2001年8月乳がんと診断され、数名の有志とともに2004年「山梨まんまくらぶ」を発足。山梨県のがん対策推進協議会の委員に就任し、地方からの「がん医療推進」をめざしている。
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13患者の家族からの相談(2)

「あと、親と子の関係ね。母親が子どもにがんであることを伝えられない。それはなぜ伝えられないかというと、子どもに心配をかけるから。それはもう母と子のあるべき姿というのに縛られている関係。でもそれは、私なんかが簡単に『そのあるべき姿は間違ってるよ』と言える立場ではないので、うまい言い方で話をもっていけないのですね。そういうときにどうしたらいいかというのは、やはりすごく悩むのだけど、その、子どもに伝えられない人の話を聞いてあげるということとか、その人に他にこうして子どもと対峙している同じようなお母さんがいるよという姿を見せてあげるとか、そういう状況を作るしかないのです。がんと告知された人の家族に対して、というのは百人百色すぎて、マニュアルみたいなのがすごくできにくいのです。皆、自分が大切で自分が傷つきたくなくて、そのなかで家族という最低単位を作っているわけだから、お互いを少し引いた形で認められるような間柄を作るための練習というか、認めあったり尊重しあったりするような機会を常日頃からちょっとしたことで構築していくというのが、家族に対しても大切なケアなのかなと思います。」