「資金面は、大きな悩みでもあるし、課題でもありますよね。本当に、自転車操業という感じです。どのように財源を確保しているかと言いますと、1つは、地元で開催される学会とか、がん関連の公的な催事とかの主催者に、私たちがん患者家族団体としてこういうことができますよ、こういうことが得意ですよ、より患者さんの立場に立った企画や運営ができますよ、ということを積極的にご提案しています。
もう1つは、やっぱりNPOというのは事業者ですから、事業を行って財源を確保していくというスタイルをきちんと身につけなければいけないということがあります。ですから、できることは何でもやっていく。
ピアサポーターと言われる人たちも、社会の構成の縮図みたいなところがあって、いろいろな職業体験をされた方、それからいろいろなスキルを持った方がいらっしゃるわけですよね。そういったピアサポーターの人たちの職業的スキルや社会的スキルを活用して、今、しているご提案が、病院の中で患者さん向けにいろいろな情報誌を作られたり、社誌の編纂をしたり、病院誌ですよね。そういった時に私たちにはこういうことが得意な人がいて、ピアサポート活動の財源確保のために、こういう事業を始めます。ついては、コンペがあったら私たちにも声をかけて参加させてもらえませんか、ということを始めているのです。みんなで分担しながらそういう仕事をして、事業費を捻出してきたということがあります。これを今後はもっと、NPOという事業者として、システマティックにやって行けるかどうかが、事業継続の大きなポイントだと思います。
ピアサポート活動も、有償ボランティアなのです。すごくささやかで、例えば、病院に1回行っていただきますと、1,000円と交通費です。これに対していろいろな考え方があると思うのですけど、やはり継続的に活動していっていただこうと思うと、まったくの無償のボランティアでは長く続かないし、ご負担が大きいのではないか。そうしたことが、少しでもカバーできないと活動は続いていかない。それとせっかく1年もお勉強してくださって、実績も積んでいる人が、そういう負担を与えることで活動が縮小する。それは非常にもったいないと思うのです。」