「会社はやっぱり(ストーマから)ガスの音があると困るんですよ。私は事務の仕事なのですが、特に食事のあととか、部屋がシーンとしているときや来客があるときに限ってちょっとまずい雰囲気になってくるのです。でもそれぐらいだったら、(ストーマを手で)抑えて音を小さくするとか、何とかなるので、仕事を続けていけることにおいては、それほど大きな問題ではないと思います。」
「同じ課の人は、みんな知っています。入院中に仕事を手伝ってもらったりしているし、病院に行くときには、『病院に行くから』と言ってお休みするので、うちの課の人は知っています。事情はわかっているので、私も『ごめんなさい』と言ってなんとかすり抜けています。そこらへんはありがたいですね。
仕事をずっと続けていこうと思ったら、やっぱり皆さんにわかってもらっておいたほうが、自分が楽だし仕事も続けやすい。周りの皆さんも言ってもらったほうがきっといいと思うんですよ。なのでやっぱりカミングアウトはしたほうがいいと思います。」
「がんになる少し前に、保険をがん保険つきのものに変えたんです。まさかとびっくりして、あんまりぎりぎりなので保険会社の人に『ひょっとしたら調査が入るかもしれない』と言われました。調査に入られても、別に隠し事をしていたわけでもなんでもないので、『別に入ってもらっても私は全然構わないので』と言ったのです。調査も入ることもなく全部おりました。
やっぱり医療保険は必要だと思いました。ざっと手術の費用はいくらかかったんだろうとみても、100万円ぐらいかかってますもんね。それを全部出して、抗がん剤の治療もしようと思ったらたいへんなので、あとから(高額医療費で)いくらか戻ってくるといっても、やっぱり大事なことだと思います。
ちなみに保険会社の人に『私なんかもうがん保険に入れないよね』と聞いてみたら、がんになって最後の治療を終えて5年経過すれば入れるらしいです。だったら、入っていない人に教えてあげなくちゃと思いました。そういう保険会社もあるみたいです。」