がんと向き合う

大腸がん 小腸がん 肺がん 膵臓がん 乳がん 子宮頸がん 卵巣がん 緩和ケア +plus イベント おしらせ
木村稔美 さん
(きむら・としみ)
chart
1959年愛知県生まれ。46歳のとき(2006年)直腸がん(ステージ2)が見つかり、直腸とS状結腸を切除、ストーマを造設。約3ヵ月後、職場に復帰。術後、補助的に抗がん剤治療を受けるが副作用のため1クールで終了。術後5年を経て気持ちが少しずつ前向きになり、若い女性オストメイトのための患者会ブーケの手伝いを始められるようになる。乗馬が趣味。ブログ:minnのいろいろ気ままな日記
movieImage
8会社で困ること

「会社はやっぱり(ストーマから)ガスの音があると困るんですよ。私は事務の仕事なのですが、特に食事のあととか、部屋がシーンとしているときや来客があるときに限ってちょっとまずい雰囲気になってくるのです。でもそれぐらいだったら、(ストーマを手で)抑えて音を小さくするとか、何とかなるので、仕事を続けていけることにおいては、それほど大きな問題ではないと思います。」

Q.会社の周りの方は、病気のことをご存知なのでしょうか?

「同じ課の人は、みんな知っています。入院中に仕事を手伝ってもらったりしているし、病院に行くときには、『病院に行くから』と言ってお休みするので、うちの課の人は知っています。事情はわかっているので、私も『ごめんなさい』と言ってなんとかすり抜けています。そこらへんはありがたいですね。

仕事をずっと続けていこうと思ったら、やっぱり皆さんにわかってもらっておいたほうが、自分が楽だし仕事も続けやすい。周りの皆さんも言ってもらったほうがきっといいと思うんですよ。なのでやっぱりカミングアウトはしたほうがいいと思います。」

●がん保険

「がんになる少し前に、保険をがん保険つきのものに変えたんです。まさかとびっくりして、あんまりぎりぎりなので保険会社の人に『ひょっとしたら調査が入るかもしれない』と言われました。調査に入られても、別に隠し事をしていたわけでもなんでもないので、『別に入ってもらっても私は全然構わないので』と言ったのです。調査も入ることもなく全部おりました。

やっぱり医療保険は必要だと思いました。ざっと手術の費用はいくらかかったんだろうとみても、100万円ぐらいかかってますもんね。それを全部出して、抗がん剤の治療もしようと思ったらたいへんなので、あとから(高額医療費で)いくらか戻ってくるといっても、やっぱり大事なことだと思います。

ちなみに保険会社の人に『私なんかもうがん保険に入れないよね』と聞いてみたら、がんになって最後の治療を終えて5年経過すれば入れるらしいです。だったら、入っていない人に教えてあげなくちゃと思いました。そういう保険会社もあるみたいです。」