「去年でちょうど術後5年経ったんです。こういう病気は、油断しては絶対にダメなんですけれども、5年経って再発の確率も少なくなってきたから、いろんなことをますますやってみようかなという区切りにはなってきています。
少し前に私、斜視の手術をしたんですよ。別にこの手術はやらなかったら死ぬというものじゃなかったんですけど、前は『そんな手術しても、(この先)どうなるかわからんし』というのがあって、『しなくてもいいわ』というふうだったんだけれども、この先、何年もいろいろしたいから『やっぱりやろう』と思って、この手術は子供がする手術らしいんですけど、手術しました。
あと去年から『ブーケ(若い女性オストメイト(人工肛門・人工膀胱保有者)の会)』のお手伝いをしています。それまでは体調がよくないから『途中でやめます』と言うのも申し訳ないと思っていたのですが、体調もずいぶん落ち着いてきているので、だいぶいろんなことがお手伝いできるかなと思い、それもちょっと始めてという感じです。
せっかく助けてもらったんだし、楽しく一生懸命生きないと、というのは思いますね。」
「病気になって、『絶対復活するぞ』とは思っていたけれど、先の約束をするのが怖いんですよ。約束しても行けないかもしれないとか。1ヵ月先、2ヵ月先の約束ならともかく、1週間後でもなんとなく『大丈夫かな・・・』と思う時期がありました。でもだんだん、『その日その日を一生懸命』、大げさだけど『悔いが残らないようにやればいんじゃないか』と、今までダラダラと過ごしてきたわりには、そういうことを思うようになりました。」
「お腹が痛くなることが軒並みあったんですよ。だから約束をしても『ひょっとしたら行けないかもしれない』という約束の仕方をするのがすごくイヤで、そういう約束をされたら相手もすごくいやなんだろうなというのがあって、ちょっとその頃はダメでしたね。ある意味、弱気なところがあったのかもしれません。」
「いつの間にか落ち着いていました。落ち込んでいるわけではないと思っていたんですけど、やっぱりぐーっと落ち込んでいたんでしょうね。底まで行けば、だんだん考え方を未来にというか、前向きにというか、そういうふうに思うようになって、徐々に変わってきたんじゃないかと思います。」