統合失調症と向き合う

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福田一夫さん
福田一夫さん
(ふくだ かずお)
1969年(昭和44年)生まれの45歳(収録時)。大学4年生の時に発症し、3回の入院を体験する。大学卒業後、就職するが病気の再燃により退職。その後、大学院に入り勉学に勤しみ、現在は清掃会社に勤務している。勉強することが好きで、日本経営学会の一員として経営学の研究をしたり、放送大学などで聴講している。一人暮らし。収録時、襟元には日光彫りのループタイが結ばれていた。
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3兆候について
Q.激しい症状が出る前に何らかの兆候はありましたか

「今思い返しますと、この事件の以前にも、発病の兆候はありました。大学4年生ですから22歳です。新学期が始まって、その直前とか、もしくは始まっていないのに通学し始めた時です。

それまでだったらそんなことをする人間ではないと思っていたのですけども、清掃が終わった電車内に乗り込んでいって、いきなりゴミなどを捨ててしまった。当然、前に座っていたご婦人が注意するのですよ。そうすると、それに『なんだあ』みたいな感じで刃向かって、反感を買ったり……。もしくは、新学期が始まって、楽しくてウキウキしてしょうがないのですよ。この幸せを誰かに分け与えたいみたいな感じになりまして。そんなことで、はしゃいでいたりして、おかしかったと思います。

大学に通学しながら、やはり視線が気になっていて、あの人も見ている、この人も見ているみたいな…。でも今から思いかえせば、本当に見られているのだと思うのです。当然自分の行動がおかしかったから、見られていたのだと思うので。見られているという感覚は、多くの精神障害者が発病の時に体験すると思うのですけども、やはりそれは、ただ見られていると本人が感じている(だけ)ではなくて本当に見られているのだと思います。」

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