「(入院は)全部で、措置入院からの続きを含めて3回。通算、全部で6か月です。現在は、措置で入院した病院に、8週間、だいたい2か月に1回通院させていただいております。」
「意識不明になっていた原因というのは、ドリンク剤を大量に飲む。数十本飲んでしまったわけですね、1回に。で、睡眠も取らないで活動していようというような感じでやっていまして。そのことが原因で頭が極度の興奮状態に陥りまして、その結果、意識不明になってしまったのですね。それが32(歳)ぐらいですね。
(入院)3回目は措置入院から、措置のまま移ったのですけども、その日のうちに違う病院に入院するということでした。
措置の病院でも、なんとかして意識を回復させたのでしょうけども、1回しか食事をした憶えもないし、1回自分でトイレに行って詰まらせてしまって、それしか憶えていないのですね。あとは何も憶えていない。で、次の病院に移っても、1か月間ぐらいはぜんぜん何にも憶えていないです。そんな状態でした。
それが、2か月ぐらい経って、意識がはっきりしてきて…。で、その時にはもう、はっきり言って“そう状態”なんですね。またここでもおかしなことばかりやっていまして…。その時に自分で思ったことは、もう一切ドリンク剤を飲まないと思ったのですけども、今現在、仕事などに行って疲れてしまったりすると、たまに飲んでしまうのですよね。『だめだなあ』と思いながら…、そういうジレンマで、今生活していますが。」
「私がこれまで受けてきた治療の多くは薬物療法です。措置入院の時は意識がもう数週間戻らなかったもので、電気ショックをして事態を打開してきたということを聞かされました。
初めての入院の時ですか?(薬は)相当飲んでいましたね。優に20錠や30錠は飲んだのではないですか。1回にですよ、1回に。退院して、もらった袋に入っていたのが20錠近くありましたから。入院中はもっと飲んでいたと思います。
日本の精神科の医療というか治療は、薬物療法に偏重していて、患者さんを薬漬けにしているというような国際的な批判があります。これは、自分としては、医学的には正しいのだと思います。なぜならば、薬物療法というのは臨床結果があって、精神療法みたいなものは臨床的には確立した結果があるというものではないのですよね。だから、臨床的に正しい、確実に結果が出てくるものに偏重してくるというのは正しいのだと思います。
それはそうなのですけども、これは私が初めて入院した時の主治医の先生が、時間を割いて私に多くのお話をしてくれたのですけども。その中で、『精神科の治療というのは、薬を使うこと、そして私とお話しすること、この両方が、車の両輪のように回転して初めて達成されるもので、どちらか1本が欠けてもだめなのだ』というような考え方で、私に接してくれました。そういったものが、大学の医学部で教えられていくということが必要なのではないかなと思っています。」