「考えてみればもう3年ぐらい前から顕著だったのですが、辛いものを食べるとお腹を壊す、下痢をするという症状がありました。もともとお腹を壊しやすい体質ではあったのですが。
2009年の暮れぐらいから便秘をしだして、それもおかしかったですね。下痢傾向だったのが便秘になりました。
2010年の5月、朝、突然お腹が痛くなりました。緊急入院をして虫垂炎が疑われたのですが、それはなかったのです。お腹が痛かったのが、いちばん顕著な兆候でした。」
「明け方、寝ていていきなり『ぽん!』と痛くなって目が覚めました。でも一瞬で終わっちゃったんです。あとからお医者さんが『たぶん、腫瘍が破裂したんじゃないか』と言っていました。でも激痛というほどではなかったです。ただ『ぽん!』とびっくりするような痛さで、それで終わりでした。不思議・・・。
とりあえず病院に行って、膀胱炎と卵巣の検査をしているうちに、だんだんお腹の痛さが広がっていきました。『腹水がたまっているようだ』と。それで緊急入院をしていろいろ検査をしました。」
「虫垂があるあたりに白い影が見えるということで、『虫垂か卵巣かそのどっちかだ』とはじめ言われて、そこを手術しました。結局、卵巣はなんともなかったので虫垂をとるという手術でした。」
「(1度目の)開腹手術の傷の治りが遅くて、状態がいまいちよくなかったんですね。なので『その傷のところをきれいにしましょう』というぐらいのつもりで手術を受けました。はじめは30分と言われて、(開けたら)大腸がんがわかって、結局、5時間半ぐらいの手術になりました。『開けたらたいへんなことになっていた』というのが本当みたいです。
(がんは)横行結腸とS状結腸にひとつずつあって、『S状結腸のほうが破裂していた』と言われました。あとポリープが大腸に150個ぐらいあったんです。『まれだ』とは言われましたけど。だからもう大腸は4分の3ぐらいないです。
はじめは婦人科外科の先生による手術だったのですが、途中から消化器専門医が呼ばれて緊急手術という形になり、その先生の判断で『この状態では、まず大腸のポリープだらけのところをとってストーマにするのが、いちばん命を長くする』と判断が下ったそうです。」