がんと向き合う

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東 千佳子 さん
(あずま・ちかこ)
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1970年滋賀県生まれ。2001年よりオーストラリアに住み、永住権を取得し仕事も順調だった。2010年、腹痛より大腸がん(ステージ4)が見つかる。術後、感情を失い、専門家のカウンセリングを週2回受け、次第に落ち着く。1ヵ月後日本に帰国し、実家から通院。家族、友人、患者会のサポートもあり徐々に自分を取り戻す。2012年にiPad2を購入、日記をつけ始める。6月から文鳥を飼う予定。
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11日本での抗がん剤治療

「今、抗がん剤治療(FOLFOX)を通院で2〜3週間に1回受けています。それは点滴でだいたい3時間ぐらいかかるのと、あとは『お持ち帰りボトル』という点滴を持って帰ります。その点滴が終了するのに2日間かかります。それを2〜3週間に1回して、現在1年5ヵ月続けています。」

●抗がん剤の副作用

「薬は5種類で、その点滴をずっと続けています。でも今、副作用が強くなってきたので、エルプラット®(オキサリプラチン)という薬を1つ抜いています。そうしてコンビネーションを変えてやるんです。

エルプラット®はプラチナ系と言って、ベースがプラチナなんですね。比較的副作用が強くて、手足がしびれるのです。あと冷感で、冷たいものを触るとチッとくるんです。私はそれが口にもきてしまって、口にくると唇が震えている状態でしゃべれないし、口は開かないし、喉まで震えてきて、それがしんどかったですね。」

Q.ほかの薬の副作用はありますか?

「副作用はたくさんありますね。まず倦怠感というかすごくだるい。あと食欲がなくなる。あと味覚障害もあります。いちばんしんどかったのは、食感が変わっちゃうんです。もう何を食べても段ボールを食べているような食感に変わっちゃう。口の中の皮膚がおかしくなるんでしょうね。あとは肌も荒れやすくなったし、髪も結構抜けました。あと爪が最近非常に薄くなったと思います。ただ副作用と呼べるほどではないですけど。いろいろありますね。

吐き気はあまりないです。特にイメンド®(アプレピタント)という吐き気止めの薬がここ2年ぐらい前にできて、それが非常に強力なので、特に大腸がんの抗がん剤は(副作用が)そんなに強くないので、吐く人はそんなにいないといいますね。私自身も吐き気はないです。食欲不振はありますけども、吐いたことは1回もないです。」

●医療者とのコミュニケーション
  ─メモとダイアリーを活用する

「(診察で先生と)コミュニケーションをとるときに、すごく混乱していることが多いので、私は初診のときは叔母に来てもらったんです。先生と話すのは私なんだけれども、先生が言ったことを全部叔母に書いてもらったんです。混乱しているときはいつもひとり来てもらって、全部書いてもらうんです。そうすると、(大事なことを)漏らさないでちょうどいいですよね。

今は前もって質問事項と言いたいことを全部箇条書きにして、ダイアリーと一緒に持っていきます。『これ聞いた、これ聞いた』と1個1個チェックして。あと治験の担当の方(治験コーディネーター)に1年半お世話になっていて、非常にいい関係が保てているので、その方にも同じことを全部聞くんです。そのあと主治医の先生と話をするんですね。だから『ちゃんと聞いた、それはちゃんとやった』と2回ダブルチェックをして。あと薬剤師の方がいるので、その人にもお薬で聞きたいことをメモっていくんです。

聞きたいことは前もって書いておかないと聞けないです。先生、忙しいですからね。(診察の)時間を無駄にしないためにも、お勧めです。

普通のダイアリーを持ってそこに予定を全部書き入れて、(聞きたいことを)付箋に書いておいて、全部できたら捨てるということをしています。ただそこまで管理が自分でできるようになったのは、ここ本当に5ヵ月ぐらいですね。それまでの1年はもうぼろぼろでしたので。」

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