がんと向き合う

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東 千佳子 さん
(あずま・ちかこ)
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1970年滋賀県生まれ。2001年よりオーストラリアに住み、永住権を取得し仕事も順調だった。2010年、腹痛より大腸がん(ステージ4)が見つかる。術後、感情を失い、専門家のカウンセリングを週2回受け、次第に落ち着く。1ヵ月後日本に帰国し、実家から通院。家族、友人、患者会のサポートもあり徐々に自分を取り戻す。2012年にiPad2を購入、日記をつけ始める。6月から文鳥を飼う予定。
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12うつになってわかったこと

「肉体的にぼろぼろでしたけど、精神的にもぼろぼろで去年(2011年)うつになったんですね。自分で『たぶん、うつだな。これはまずいわ・・・』と思って、精神腫瘍科の先生に診てもらうようになりました。それで去年の9月ぐらいからすごく調子がよくなったんです。

精神腫瘍科の先生というと、結構敬遠される方が多いと思うんですけど、私は精神と体は本当にひとつだと思うんですね。結局、抗がん剤治療の副作用がひどくて、めまいがしたり頭痛がしたり、体の調子が非常に悪かったんです。調子が悪くなったことで、精神的にも非常に落ち込んだんで、うつになっちゃったんですよ。」

●副作用がひいてきた

「うつになったときに、精神腫瘍科の先生に診てもらって、抗うつ剤とか安定剤とか、いろいろ処方してもらったんですね。それが効きはじめたら、体のそういう悪い症状がひいてきたんです。不思議なんですけど、精神的なお薬を飲むことで、肉体の副作用とかもひいてきた。先生の診断では、『おそらく自律神経が参っていたのだろう』と。精神的なショックが大きすぎて、自律神経が壊れていたから、それによって頭痛が起きたり、めまいがしたり。あと私は下痢をしていたんですね。普通の方でも精神的にイライラすると胃腸の具合がおかしくなったりしますが、あれと同じみたいで、私も下痢をしていたのは精神的に参っていたらしかったんです。

だから去年の夏がいちばんたいへんで、お腹も痛かったので痛み止めは飲むし、下痢止めも飲まなきゃいけないし、もういろんな薬を飲んでいて、非常に体調が悪かった。精神的にもぼろぼろだったんですね。それで先生に診てもらって、(精神科の)薬を処方してもらったことで、今はその薬だけで、あとは何も飲んでいません。お腹も痛くないし下痢もしないし。」

●“助けてほしい”と言ってすごく楽になった

「だから私はやはり、恐れないで使えること(薬)は使ったほうが、がまんしないほうがいいと思う。精神的にぼろぼろになって当たり前なので。『“助けてほしい”と言う勇気も必要』という言葉を本で見たことがあって、私もそれは本当に必要だと思う。私も『助けてほしい』と言って正解でした。お医者さんに助けてほしかったし、患者会のミーネットとブーケに、『助けてほしい』と自分で言いたかったから言っちゃって、すごく楽になった。だから怖がらないで、勇気をもって、たいへんなときだから。言っていいときだと思います。」

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