「日本に帰宅する前の1ヵ月、訪問看護師さんが週に3回、自宅に来てくれました。ストーマナースの方が『ストーマがちゃんと自分でケアできているか』『何か疑問がないか』とか、ストーマ装具のオーダーを全部してくれたり、抗がん剤治療専門看護師の方にも来てもらって話を聞いたり、そういうことをして過ごしていました。
オーストラリアは、装具は医療品なので全て無料です。日本では、地方によって違いますが今私は行政から補助金を1ヵ月に8000円ぐらいいただいています。でも8000円は正直なところ多くはないですね。すぐになくなってしまいます。」
「おそらく、よほど遠隔地に住んでいない限りは、オーストラリア国内というのは、そういうシステムが非常にできているので、たぶん誰でも受けられる。オーストラリアでも本当に遠隔地に住んでいる人は、そういうサービスはないと思いますが、基本的には訪問看護はどこでも受けられると思います。」
「退院してから3ヵ月間は無料で、『3ヵ月以降は多少お金がかかる』と言われました。
私がお世話になったのはシドニーの北部のエリアで、そのエリアを担当する訪問看護師さんが何人かいて、その人たちを派遣するシステムになっているみたいです。だから看護師さんは近くに住んでいて、車で1日何人か患者さんの家を車で移動して、訪問看護に回っていると言っていました。」
「私は小腸ストーマで、小腸のストーマはまず水分が吸収されないから脱水症状を起こしやすいので、脱水症状を起こさないように『水分をたくさん摂ること』『塩分を摂ること』と言われました。でも日本食はもともと塩分が多いから『それ(塩分を摂ること)は気にしなくていい』と。あと『魚は食べてもいい』『お寿司も食べていい』と言われました。あとトウモロコシ、アスパラガス、チンゲン菜など『繊維質のものは(腸で詰まるので)食べないように』と言われました。
小腸は非常に消化機能が低いので、たとえばタケノコや根菜類、海藻類、きのこ類など繊維が多いものは消化できないのです。でも私自身、食べないものというのはありません。少量をよく噛んで食べて、大丈夫だったらもう少し食べてみる。今、食べていないものは、全く消化できないこんにゃくとプルーンぐらいです。」