がんと向き合う

大腸がん 小腸がん 肺がん 膵臓がん 乳がん 子宮頸がん 卵巣がん 緩和ケア +plus イベント おしらせ
●大腸がんの標準的治療
大腸がん手術の基本

図5-1
クリックで拡大します
大腸がんの手術には大きな2つの要素があります。
ひとつは、がんのある腸を、安全域を設けてしっかりと取り、切り取った腸同士をつなぎ合わせる(吻合)ということ。もうひとつの大切なポイントは、転移している可能性のあるリンパ節を含めて、広くその領域のリンパ節を取ってくるということです(右図)。

腸には腸間膜という脂肪の膜が付いています。そのなかにリンパ管や血管が走っているのですが、そのリンパ管の途中にリンパ節があります。がんが浸潤してリンパ管の中に入って行くと、リンパ管の中を移動してリンパ節に辿り着いて、そこで大きくなって転移を起こす危険性があります。このように転移している可能性のあるリンパ節を含めて、がんから流れていくリンパ流の領域を広く切り取るのが、リンパ節郭清(かくせい)です。

Q.血管やリンパ管は切ったあと、切りっぱなしでしょうか?

血管はもちろん縛ってから切ります。リンパ管も太いものは縛ることもありますが、たいていのリンパ管は縛らないでも自然に塞がってしまいます。

Q.リンパ節をどれくらい切れば安全、という目安はあるのでしょうか?

リンパ節郭清は、日本で積極的に行われています。約40〜50年前から、手術で切り取ったものを調べて、どこにがんがあるとどの程度までどういう風にリンパ節転移があるかという研究がずっと行われてきました。それらの結果を総合して、『大腸がん治療ガイドライン』では、どこにがんがあると、どの程度の範囲のリンパ節を取ればがんが取りきれるということが示されおり、それに従ってリンパ節郭清を行っています。

▲このページの一番上へもどる