がんと向き合う

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●大腸がんの標準的治療
抗がん剤治療

図11-1
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大腸がんの抗がん剤治療では、フルオロウラシル(5-FU)とロイコボリン(レボホリナートカルシウム)、この2つの薬を組み合わせて行うのが基本中の基本です。それに新しい抗がん剤であるオキサリプラチン、あるいはイリノテカンを組み合わせます。さらに最近では、分子標的薬と言われる新しいタイプの薬であるベバシズマブやセツキシマブが出てきました。
このように、基本中の基本である5-FUとロイコボリン、それにオキサリプラチンまたはイリノテカンの組み合わせ、さらに2種類の分子標的薬と、大腸がんの抗がん剤治療は非常にバラエティに富んできました(上図)。

図11-2
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治療効果が非常に高い薬の組み合わせは、どうしてもいろいろなタイプの副作用が出てきます。ですから、まず患者さんの病状や体力に応じて薬の組み合わせを考えます。それである組み合わせを決めたら、その治療を2〜3ヵ月続けてみて治療効果を判定します。治療効果の判定はCTなどで行います。治療効果があって小さくなっている、ないしは大きくなっていない場合は同じ治療を繰り返します。大きくなっていた場合は、薬の組み合わせを変える、というやり方で治療を進めます(上図)。

効果に加えてもうひとつ大切なのは、副作用のチェックです。毎回、薬を投与する前に必ず副作用をチェックして、白血球が少なくなっていないか、血小板が少なくなっていないか、クレアチニン(腎臓の機能を表す指標)が高くなっていないか、などを調べながら、治療を繰り返すわけです。

Q.副作用が強い場合、どうすればいいでしょうか?

副作用が強い場合は、どの薬によって副作用が起きているのかをまず判定します。ある薬で強い副作用が起こっていると考えた場合は、その薬を減らして投与することもありますし、薬を投与する間隔を延ばして副作用から回復してからまた治療を開始するという方法もあります。また状況によっては、その副作用を起こす薬を中止して、別の種類(薬)の治療法に切り替えるという方法もあります。ただし、どの種類の副作用がどの程度出るかは人によって違いますので、その都度副作用をチェックしながら治療を続けていくのです。

Q.抗がん剤治療はどのくらいの期間、続けるのでしょうか?

効いている間はずっとその治療法を続けます。これはあくまでも手術でがんを取りきれなかった患者さんに対する治療ですので、薬が効いている間はずっと続けます。そして効かなくなったら別の薬に替える、また別の薬に替える−ということをくり返して、できるだけ長く治療を続けるということが、手術でがんを取りきれなかった方の治療法です。

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