●大腸がんの標準的治療
ステージ4の治療方針の決め手
ステージ4の治療方針の決め手
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肝臓や肺、腹膜などに転移があった場合をステージ4と言いますが、まずはその肝臓や肺の転移を手術で全部取りきれるかという評価が大切です(右図)。もしCTなどで、転移の場所と大きさ、個数を調べて、それが取りきれると判断すれば、大腸がんと一緒に肝臓や肺の転移も取る手術をします。
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Q.転移の手術は、大腸がんの手術と同じときに行うのでしょうか?
たとえば大腸がんがあり、肝臓に転移がいくつかあるけれど、それも手術で取りきれるという場合は、大腸がんの手術と肝臓の手術を一緒にする方法と、先に大腸の手術だけをして、肝臓のほうは少し様子を見て2〜3ヵ月後に手術するという方法の2つのやり方があります。どちらのほうが患者さんにとってメリットが大きいかということは、今のところまだわかっていません。
Q.ステージ4でも完治する可能性はあるのでしょうか?
ステージ4でも、大腸がんと肝臓の転移、ないしは大腸がんと肺の転移の両方とも切り取ることができた場合は、約40%の方は完治します。ですから、大腸がんの場合は、他のがんと違って、肝臓や肺に転移があっても治る可能性が非常に高いのです。
Q.手術でがんが取りきれない場合はどうなるでしょうか?
手術でがんが取りきれない場合は、抗がん剤治療ということになります。ただし、最近は抗がん剤が非常によくなって、治療効果が非常に高くなってきました。たとえば最初に肝臓の転移を取りきれないと判断されても、抗がん剤治療をすることによって肝臓の転移が小さくなったり数が少なくなったりして、取りきれる場合も多くなってきました。ですので、最初に肝臓の転移は取りきれないと言われても、積極的に抗がん剤治療を受けるほうがよいと思います。